chapitre128. 選び取る意志
文字数 8,380文字
「エリザ」
ロンガが意識を宿す身体の名前を、呼びかける。
「貴女の意見を、まだ聞いてないなと思って。ぼくたちラピス市民は、どうあるべきだと考えますか」
「私の意見……良いんですか、言っても」
「少なくとも、ぼくは聞きたい」
シェルは明快な口調で言って、小さく首を傾けた。
「だって、貴女にも何か志すものがあって、だからここにいるんじゃないですか?」
「……ええ」
胸の奥にこみ上げた熱を抑えて、頷く。半分は、シェルや大切な友人たちにもう一度会いたくて、それでやってきたのだけど――そちらは堪えて、もう半分の方の理由を口に出す。
「ビヨンド――D・フライヤは、文明が滅亡に際しているからこそ、ラピスにやってきたんです」
「やってきた……? 何のために」
「彼らは文明が好きなんです。そう、言っていました」
アルシュの問いかけに答えながら、頼んでもいないのに未来視の瞳を授けた、お節介な超越的存在を思い出す。もしも実体を持った人間だったら頬を張ってやりたい相手だし、非常に気持ち悪い言い回しは大嫌いだが、ひとつだけ共感している点があった。
「でも、彼らはいったい何を持って文明と呼ぶのか――それは曖昧ですが、無限の可能性の中からひとつの明日を選び取る、そういう主体的な存在を指しているのではないかな、と思います」
不透明な未来を見通そうとする瞳、錯綜する情報のなかから本当を掴み取る手、見定めた方向に歩いて行く足、その全てを司る心。過去にも未来にも行けないからこそ、ただひとつ残された
それこそが人間だ。
彼らは――という代名詞が適切かも分からないが、ビヨンドあるいはD・フライヤと呼ばれる超越的存在は、はっきりとそう言ってのけた。高みからこちらを見物している、その態度は気にくわないが、「人間」という存在に対する考え方だけは、ロンガのものと良く合致していた。
「私も、そう思います。考えて選び取る意志、それこそが人間ではないか、と」
胸元に手を引き寄せて、目を伏せる。
「何一つ不自由せず寿命を全うすれば、それで満足なのか。私は……そうは思いません。ただ鼓動が続くだけでは、死んでいるのと変わりない」
「――なるほどね」
カノンが頷いてみせるが、その薄笑いは苦々しかった。
「あんたも理想主義者ですね。停滞は死んでしまうのと同じだと言ったって、では前進するためなら死んでしまっても良い、とでも言うんですか」
「いいえ、そうは言いませんよ」
肩を竦めてみせると、おや、と彼は片方の眉を持ち上げる。
「生き残る道を探して進むのでしょう」
「はは……そう、上手く行きませんよ」
カノンは苦笑しながら椅子を片付けて、休憩室を出て行く。通路に踏み出す直前にぴたりと立ち止まって「ですが」と呟いた。
「俺が欲しかったのは結局のところ、理想論かもしれませんね。何もかも上手く行ったら、と仮定した場合にのみ成立する、空想上の虚構だ」
「そう……ですか」
数秒かけて、カノンの言わんとするところを考えた。彼らしい、率直ではない物言いだが、多少は助けになれたと判断して良いのだろうか。
「――少しでも何か、良い影響があるのなら、言ってみた甲斐がありました」
「どうも。つまらない話に付き合ってもらって、すみませんね」
エリザの顔を使って微笑むと、彼は曖昧に笑い返して背中を向けた。固い靴底が地面を踏む、規則的な音が遠ざかっていく。足音の方向を視線で追いかけながら、アルシュがジャケットを羽織り直して、溜息交じりに言った。
「どうせ……綺麗事を掲げたって、実際にやっていることは分断に次ぐ分断です。その方が安全だと、分かりきっているからです」
「短期的にはね」
シェルが言葉を差し挟んで、アルシュも頷く。
手を取り合いたくても、簡単には実行できない事情がある。ロンガ自身、今日の午前中を使って、ハイバネイト・シティ内に幾つもの障壁を築いてきたばかりだ。語圏を超えて協力する――というお題目に真っ向から対立する、人の流れを阻む壁を。
「言行の不一致も
呟いてアルシュが目を閉じる。
「カノン君が迷うのだって良く分かります。でも、だからこそ――遠い場所にある理想を、見失わないようにしなければ。そうしないと、いつの間にか袋小路に迷い込んでしまいそうで」
「アルシュ……貴女が描く、理想のラピスは、どんな姿をしているんですか?」
「まだ、分かりません」
きっぱりと言い切って、彼女は天井を見上げる。
「でも」
そこには“
「壁がない世界であれば良いな……と思います。ああ、部屋の壁ではなく、有形無形の障壁のことで……絵空事だと分かってはいますが、そんな未来の礎を少しでも築けたら、生き残った理由が分かる気がします」
「生き残った――」
頭部打撲の後遺症から復帰したことを指して、そう言っているのだろうか。思わず言葉を繰り返すと、本人も意図せずに口に出していたのか、アルシュが驚いたように目を見開いた。
「なんて……言ったら大袈裟ですよね」
「いや、そうでもないと思うな」
ロンガの心に浮かんだ言葉を、代わりにシェルが代弁してくれる。
「ぼくらは紛れもなく、生き残った側だよ。それにしても――ふふ、そっか、壁のない世界か」
「……何か、問題でも?」
笑い混じりで言ったシェルに、アルシュが穏やかとは言えない目つきで振り向いた。彼はびくりと肩を強ばらせて、違う違う、と両手を振ってみせる。
「ちょっと安心したんだよ。何が正解かは、人によって違うんだなって」
「それのどこが
理解できない、と言わんばかりにアルシュは肩をすくめてみせた。だがシェルは動じない口調で「だってさ」とあごを持ち上げる。
「そっちの方が自然だもの。“
シェルはそこまで言って、短い沈黙を挟む。ほんの数秒だけ顔を伏せて、再び持ち上げた顔は曇りない空のような笑顔だった。
「……やっぱり、駄目なんだと思う」
「そう――かもね」
「うん」
アルシュがほのかに苦い顔をしたのは、シェルの言葉の裏を読み取ったからだろうか。
“
だがシェルは
「正解を出す必要はないんだと思う。最善を尽くして道を選ぶけど、それが正解じゃないかもって、それだけ分かっていれば大丈夫だなって」
「でも、じゃあ……もし、間違いだったら?」
「その時は仕方ない」
シェルが両手を花弁のように広げる。
「
「――そっか」
アルシュが僅かにあごを持ち上げて、疲れのにじんだ頬に光が落ちた。
「なんか、ちょっと元気出た。お礼言っとくね」
「え? あ、うん。どういたしまして」
小さく首を傾げてから、シェルが頷いた。少し恥ずかしそうに前髪を直しながら、アルシュが口を横に引く。
「私たちがどんなに頑張っても、きっとどこかは歪んじゃうんだ。でも、一緒に何とかしてくれる仲間がいるなら、失敗も仕方ないかなって思えるよ」
「いるなら、って……そりゃ、いるでしょ。あんなに沢山いるじゃない、MDPの仲間」
「そうだけど」
――でもそうじゃないんだ。
口元だけが動いて、言葉は微笑みに変わる。おそらくシェルも、唇の動きを読み取れたはずだが、彼は答えることなく視線を逃した。言葉は読み取れても、その意図までは分からなかったのだろう。
MDPを代表する立場にある自分は、彼らの責任を肩代わりする立場だから――アルシュが本当に言いたかったのは、きっとそういう意味だ。シェルが思っているほど、MDP構成員たちとアルシュは対等ではない。
だからこそ、素朴な感性から出たシェルの言葉が――アルシュひとりではなく、皆で対処しようという言葉が、有り難かったのだろう。
「あ――ごめん、呼ばれてる」
通路の向こうに視線をやって、アルシュが背筋を伸ばす。
「マダム・エリザ、すみません、先に行きます。シェル君、コアルームまで付き添ってもらって良い?」
前半はエリザに、後半はシェルに視線を向けて、アルシュが言う。シェルが頷いたのを確認すると同時にアルシュは背中を向けたが、通路の向こうに飛び出そうとした足がぴたりと止まる。
「あ、忘れてた……」
結果的にその場で一回転した彼女が引き返して、ポケットの奥から出した小瓶を手渡す。昨晩シェルが渡していた、茶葉の入った瓶だろう。見覚えのある構造の瓶に、胸の奥が締め付けられるのを感じた。
「これ、返すね。おかげで眠れた」
「あ、本当に。良かった」
「うん。あの……ありがとう」
「ううん、これ、貰い物だから」
片手をひらりと振って、アルシュが部屋を出て行った。第三者の目があったからかもしれないが、ふたりの間に漂う雰囲気が昨晩よりは緩まったように感じて、他人事ではあるものの安堵する。
じゃあ、と声の調子を切り替えて、シェルがこちらに向き直る。瓶をパーカーのポケットに押し込んで、にっこりと微笑んで見せた。
「コアルームに戻りましょうか」
「ええ、そうですね――あ」
立ち上がろうとした足に、思ったように力がかけられず、身体の重心があらぬ場所に向かう。分枝世界に置いてきた本来の身体であれば、まず陥らないようなバランスの崩し方をして、頭の中が真っ白になった。
天地の境目が不明瞭になり、落ちる――という感覚が先行して訪れる。
その背中を、血と骨の通った暖かい手のひらが支えて、見失った重力の向きを教えてくれた。痺れにも似た感覚と共に、腰がふわりと地面に付く。
「……シェル」
ふらついた身体を支えてくれた彼が、喜怒哀楽のどれも浮かばない顔でじっとこちらを見ていた。目蓋に掛かった、雑に切られた前髪を払いのけて、彼は小さく首を傾ける。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい、ええ――ごめんなさい」
「いえ」
良かったです、と言いながら笑って、彼は緩やかに首を振る。
手で触れられそうなくらいの距離に近づいた彼の顔を、思わずじっと見つめてしまった。天井の灯りを受け止めて照り返す赤茶色の瞳に、例の白銀の煌めきが宿っていないことに安堵する。ロンガやエリザ、カシェだけでは飽き足らず、ビヨンドが彼にまで手を出すような事態は、絶対に容認できない。
「……本当に、大丈夫ですか?」
動きを止めてしまったのを気遣ってだろう、ひとつ瞬きをして、シェルが片方の眉をひそめる。
「もし部屋に戻るなら、ぼくから皆に言っておきますけど」
「いえ、そういう訳では――平気です」
彼の手を借りて、床から立ち上がった。少し捻ってしまったのか、静かに波打つように痛むエリザの身体を、テーブルに片手をついて支える。椅子を片付けてくれたシェルが、記憶より僅かに高い場所からこちらを見て、そうだ、と呟いた。
「あの、エリザ――ぼく、貴女と会ったことがあるんです。10年も前ですけど」
心臓が小さく跳ねる。
「……覚えていません」
話の整合性を保つためには、昔のことは覚えていないと突き通した方が良い。動悸を抑えながらも嘘をついた。
「そうですか」
「ええ、ごめんなさい」
「いえ――別に良いんですけど」
シェルは背を向けて休憩室の照明を消しながら、何食わぬ口調で相槌を打った。
「貴女はラ・ロシェルの図書館にいて、ぼくの友達といつも話してました。ぼくは外で遊ぶ方が楽しくて、だから、ぼくのことは覚えてないかもしれないですけど――」
振り返った視線は、明らかに緊張していた。
「ルナの――リュンヌのことは、覚えてませんか」
いいえ。
覚えていません――
「ええ、
口に出そうとしたのとは正反対の意味を、唇が勝手に紡いだ。
「……え?」
胸がざわりと毛羽立ち、凄まじい違和感に襲われる。
なぜ――と問う余裕もないまま、視界が端から浸食されて、暗く淀んでいった。目を見開いて駆け寄ってくるシェルの姿を、かろうじて視界の隅に捉えたが、それもすぐに消えてしまう。今度こそ天地が完全に入れ替わり、手足を慣性に揺らしながら、意識は渦巻く暗闇に吸い込まれていった。
*
目を覚ましたときは深夜だった。
居室の暗い天井を呆然と見上げる。誰かがここまで運んでくれたのか、ブランケットが丁寧に掛けられていた。全身を流れる血液が泡立っているかのように落ち着かない。身体を震わせながら上半身を起こすと、汗をかいた背中が冷えて鳥肌が立った。
激しい目眩をこらえて、意識を失う直前の記憶を呼び出す。あの時たしかに、自分の意志とは違うものによって唇が動いた。その気持ち悪さを思い出して、吐き気を催した口元を抑える。
エリザの姿に飲み込まれて、ついに自分が誰だか忘れてしまったのだろうか。
「……違う。私は」
震えながら首を振った。
まだ覚えている。自分の存在を。新都ラピスから与えられた名前も、友人がくれた愛称も、自ら名乗った偽名も。だが、口に出して確かめると、その響きの異質さに全身がぞわりと総毛立つ。恐る恐るエリザの名前を呟くと、馴染みの良さに涙が零れた。
「なんで。どうしてっ――」
――だって、私の身体だもの。
そんな声がどこかから聞こえた気がした。
気がつけば、白銀色の双眸が暗闇に浮かび、煌びやかな虹色のプラズマを伴ってこちらを覗き込んでいる。
「可哀想。可哀想よね、貴女。でも、許せない」
七色の光が周囲に飛び散って、サイケデリックな銀河を描き上げる。可哀想、許せない、二つの言葉が呪文のように繰り返されて、浮遊しているロンガの心を固く縛りつけた。
色と色が寄り集まって、いくつもの景色を編み上げた。見たことのない映像が、いくつも浮かび上がる。教堂に似たステンドグラスの建物、七人の祖と思われる人々、若い日のラムやカシェと
エリザの記憶だ。
白銀色の瞳がそれらを見つめて、静かに泣いている。それは身体の本来の持ち主である、ロンガの母親であるところのエリザ――だろうか。その瞳に手を伸ばすと、ぐっと引き寄せられて、実体を持たないはずの身体が浮き上がった。
「エリザ?」
暗闇に向けて呼びかける。
「そこにいるんですか」
見えない糸で身体を縛られながらも、必死に周囲を見回す。目の前の空間が十字に区切られ、扉が浮き上がる。恐る恐る手を当てると、重たい感触を伴って扉が開き、七色の煌めきが隙間から飛び出した。
思わず息を呑む。
「ここは――」
ラ・ロシェルの図書館だった。
かつてエリザと語らい、ひと冬を過ごした思い出の地。ふと見下ろすと、自分の手がやけに小さいことに気がつく。磨き上げられた壁に映る自分の姿は、まだ幼い子供の形を取っていた。
振り返ろうとした刹那、背中をどんと押される。
毛足の長い絨毯に倒れ込むのと同時に、派手な音を立てて扉が閉まった。慌てて扉に駆け寄り、取っ手を掴んで引っ張るがびくともしない。
「エリザ……」
呆然と呼びかけると、厚い扉の向こうで引きつった悲鳴が聞こえた。
「出てこないで、リュンヌ」
「待って、エリザ、エリザなんですか。まだ、貴女と話ができるんですか?」
今、起きている不可思議な現象よりも、彼女が語りかけてきたことの方がロンガにとっては重要だった。ラ・ロシェル語圏で眠っていた、ロンガの母親本人であるエリザの心は、もう消えてしまったのだとばかり思っていた。
開かない扉にすがって語りかけると、やめて、と細い声が応じる。
「何も言わないで。お願い」
「せめて理由を! どうしてこんなことを?」
「――嫌いだからよ」
悲しげな声は、絞り出したように掠れていた。
「可哀想な貴女のことが、嫌い。許せないの」
「……怒っているだろうとは、思っていました」
彼女の最愛の夫であり、同時に自分の父親であるラムを、ロンガは救えなかったし、救おうともしなかった。それどころか、突き放すような冷たい口調で見送った。もっと伝えるべきことがあると気がついたときには、彼はとっくに死んだ後だった。
白銀色の瞳を通じてそれを見ていたエリザが、どれだけ悲しんだか。心がかき消えるほどの苦しみ――と言ってしまうのは簡単だが、ロンガの想像する苦痛などは、その一片にも達していないだろう。謝って許されるようなものではないに違いない。
「だけど……エリザ」
冷たい扉に手を当てて、ロンガは顔を上げる。
「私は、貴女が大好きです。伝えきれないくらい、感謝しています。ずっと、それだけを言いたかった。どんな形でも、また貴女と会えて良かった」
エリザは答えなかった。
彼女の気配が遠ざかっていき、ロンガは静かに息を吐いて重たい扉にもたれかかる。この図書館は多分、エリザの記憶だ。エリザの身体に残っていた彼女の心が、ロンガの心をここに閉じ込めたのだ。
おそらくは――顔も見たくないから。
よろめきながら立ち上がり、力を込めて扉を引っ張ってみたが、動く気配すら見せなかった。窓に近づいてみるが、本来ならラ・ロシェルの街並みが見えるはずの、ガラスの向こう側は暗闇だった。もちろん窓を開けることも叶わない。
「それじゃ駄目よ、リュンヌ」
優しい声が聞こえて、振り返る。
立ち並んだ本棚の間から、シフォンのワンピースを翻してエリザが歩いてきた。どうして中に、と問いかけそうになって、彼女の表情に浮かんでいる微妙な差異に気がつく。
「私よ」
エリザは唇の前に人差し指を立てて、悪戯っぽく微笑んでみせた。
「小声でね。
「貴女は――分枝世界の」
「そう。貴女の母親じゃなくて、お友達の私。ずいぶん時間は掛かったけど……やっと、ここに来れたわ」
ソファを回り込んでこちらにやってきた分枝世界のエリザは、幼少期の姿に戻っているロンガに視線を合わせるためか、絨毯の床に膝を付いて微笑む。
「本当は嫌われてなんていないわよ、貴女」
「えっ、でも……」
「だって、
ロンガの手を引いて柔らかいソファに座り、エリザは流れ落ちる蜂蜜色の髪を背後に流した。
「それに、本当に貴女なんてもう、どうでも良いのなら……こんな、閉じ込めるような真似はしないわ。貴女を自分の身体から追い出してしまえば、それで済む話」
「じゃあ、なぜ――私はここに」
「大好きな貴女に、酷いことをしてしまいそうだから、じゃないかしら。それこそ、貴女の父親がそうだったように……愛していたい相手を、いつだって素直に愛せるものじゃないのよ。人間は複雑なものだから」
とはいえ、とエリザは首を傾げる。
「こんな場所に閉じ込められてしまったのは、少し困りものね」
「ええ……せっかく、
ロンガが小さい肩を落とすと、そうだわ、とエリザが立ち上がった。
「ひとつ、考えがあるの。試してみない?」