chapitre121. 冬眠者たち

文字数 7,431文字

「このフロアよ」

 エリザに続いて昇降装置から降りると、一目でそこが他と種類の異なる場所であることが分かった。すぐ正面にガラス張りの部屋があり、その部屋を通らないとフロアに入ることすら許されないようだ。ロンガとエリザが部屋に入ると、背後で金属製の扉が閉まり、四方から風が吹き付けた。

 電子音声のアナウンスに求められるまま、髪の毛を覆うカバーとマスクを装着する。壁からせり出したパネルにエリザが手を当てると、厚さが10センチはありそうなガラスの一部がスライドして道を空けた。

「こちらよ、リュンヌ。と言っても、もう、見えてるわね……」

 エリザが苦笑して、通路の奥に視線を向ける。突き当たりには金属製の扉があり、フロアの入り口より更に物々しい雰囲気を醸していた。紙一枚すら入らないほどぴったりと閉じた両開きの扉に手を触れると、僅かに冷たい。目の高さより少し高い場所に、小さいガラス窓がはめ込まれていた。

 ロンガは少し背伸びをして、うっすらと霞んだガラス窓の向こうを覗く。

 直方体に近い箱状のものが、大きな機械を中心に七つ、放射状に並んでいた。箱の一部は半透明になっており、曇った板の向こうに、白っぽいものがうっすらと見える。だが、事前に聞かされていなければ、それが()()だとは分からないだろう。

「……これが、ラピスの祖」
「ええ」

 部屋を覗き込んでいるロンガとは逆に、扉にもたれて微笑んでいるエリザが、こちらに視線を向けないまま頷いた。

「地上を閉ざした吹雪が止み、春が再びやってくる日まで、自らの時計を止めることに決めた冬眠者たち(ハイバネイターズ)よ」

 もっとも、と冷たい声が続ける。

「その未来は永遠に訪れないけれど」
「やはりエリザは――祖を殺すつもりなんですね」
「ええ。以前に話した通りよ」

 ずっと下を見ていた白銀色の瞳が、ロンガに向けられる。きっと自分は酷く悲しそうな顔をしていたのだろう、エリザは片手を持ち上げて、ロンガの頬に優しく触れた。

「やっぱり、見せない方が良かったかしら」
「はい……戻りましょう、エリザ」
「そうね」

 目の奥がじわりと痛むほど、きつく目を閉じた。何重にも扉やガラスに隔てられていたとはいえ、生きている人間である彼らの姿を見てしまうと、やはり胸が揺り動かされる。

 エリザの言うとおり、彼らがいずれ超越的存在によって無残に殺される運命ならば、苦しまないように先に死なせてやることが、絶対に悪だとも言い切れない。新都ラピスが創造された七つの語圏において、人類はいずれも滅びの運命に向かったという。ならば、そもそもラピスという街を作らせないことが、人類を生存へと導く新たな解だという発想も理解できる。

 エリザはそれこそがビヨンドあるいはD・フライヤの意志だと考えているようだ。

「でも」

 立ち止まってロンガは呟いた。

「やっぱり……変です」

 エリザが振り返り、どうしたの、と問いかける。

「祖が全員死んでしまって、寒冷化が終わる頃には私たちも寿命を迎える。そこから文明が続くと思えないんです。出生管理施設の元となる技術はあるでしょうけど、いくら新しく生命が生まれたところで、そこに社会はありません」
「ハイバネイト・シティには新生児を育てるシステムがあるわ。教育を施すことだってできる。何不自由なく暮らせるはず」
「それが文明と呼べるのか、という疑問なんです」

 多数の人間が同時代を生きる。食事をして、睡眠を取り、身体の損傷を逃れながら生きる。それはハイバネイト・シティの庇護下にあれば達成されるだろう。

 だがビヨンドは人間の自由意志を輝きだと感じ、無限の可能性のなかから未来を選び取っていく姿にこそ、価値を見出しているのだ。

「ただ生きているだけの人間、と呼んでも良い。そんな彼らが後世に残ることを、果たしてビヨンドが望んだのでしょうか」
「――何が言いたいのかしら」
「祖を殺すことは本当に彼らの描いた因果通りでしょうか。ラピスの創都が為されてはならない、というのは、エリザの類推に過ぎないのでは」
「確かに、その通りよ」

 エリザが微笑んでこちらに向き直る。ワンピースの裾が空気を含み、花のように膨らんだ。

「だから、もしD・フライヤの思し召しでないのなら、きっと私を止めてくれるわ」
「……そうですか」

 エリザが思い留まってくれないかと期待したが、失敗に終わった。彼女はどこまでも、超越的存在の意志のもとに行動しようと考えているらしい。

「それにね?」

 待機フロアに戻った昇降装置を呼び出しながら、エリザがこちらに振り向いた。

「今のところ、特に邪魔されてないのよ」
「え、今のところって――」
「彼らが眠っている部屋をプロテクトしているシステムに、ここひと月ほど、何とか介入できないか試しているの。見様見真似だけどね、私も少しは情報処理が分かるのよ」

 驚きで二の句が継げなくなってしまい、ロンガは視線を逸らした。

 本当に――本気で、殺すつもりなのだ。

 それも、いつか実行しようという消極的な態度ではなく、着々と準備を進めている。条件さえ整えば今日にでも殺しかねない勢いだ。小柄な女性の形のなかに、氷塊のように冷たく揺るぎない決意が満ちている。

 人を殺すのは罪だ、などというラピスの掟は彼女には通用しない。この分枝世界で生きているのはロンガとエリザだけで、法や秩序と呼べるものはもう何もない。D・フライヤの監視を受けて、科学的真実すらねじ曲げられた可能性のある世界で、正しいことと間違いを分けることなんて、不可能なのかも知れない。

 それでも。
 彼女の行いが正しいとは、どうしても思えないのだ。

「……エリザ」

 痛むほどに脈打つ胸を抑えて、ロンガは顔を上げる。

「説得でも何でもない、ただのお願いなんですが」

 かつて図書館で出会った人と、限りなく似た笑顔の向こうにある心まで、直接声を届けようとした。

「貴女の娘として、友人として。貴女を慕ったひとりの人間として――お願いします。こんなことは、止めてください」
「いいえ……できないわ」
「エリザは、確かに貴女が言うとおり、普通の人間とはかけ離れてしまったのかもしれない。でも、同属を殺めてしまったら、今度こそ戻れなくなります。そうは、思いませんか。身体だけでなく、心まで――」

 人間の垣根を越えてしまうと、思いませんか。

 そう続けようとした言葉は、冷たい手のひらに塞がれた。ロンガの口元を抑えて、エリザが静かに首を振る。

「……ごめんなさい。その先は、言わないで」

 僅かに振動して、昇降装置が停止する。ロンガは通路に出ようとしたが、エリザはそのまま床に膝を付いた。

「分かってる」

 慌てて彼女に駆け寄ると、囁くような声がそう言った。

「分かっているわ、人を殺してはいけないなんて、そんなこと……言われなくたって! でも、どうしたら良いって言うの。だって、D・フライヤが何を考えているのか、全然分からないのよ」
「あれは――何か言っては来ないのですか」
「いいえ、実はもう、D・フライヤの声は聞こえないのよ」

 ロンガの手を借りて立ち上がったエリザは、両耳を塞いでゆるやかに首を振って見せた。

「そうね……干渉してこないのも、単に彼らが、私への興味を失ったのかもしれないわね。瞳の虹色も、少しずつ薄くなっているような気がするし」
「そうなんですか?」
「ええ――ほら、見て」

 通路の壁にかけられた鏡を、ふたりでのぞき込む。鏡像の自分とエリザの瞳を見比べると、たしかに彼女の言うとおり、白銀の中にちらつく虹色の量が少ないように見えた。

「本当だ。どうしてでしょう」
「……心当たりは、少し、あるの」

 ロンガに背を向けて歩き出しながら、エリザは静かに言った。

「D・フライヤが愛しているのは、人間の祈り。そう呼べば、聞こえは良いけれど――過去への後悔とか、届かない場所への空しい憧憬、追い詰められた人の悲壮な叫び、そういうものを祈りと呼んで愛しているのよ」
「とんだ加虐趣味ですね」

 苦々しく吐き捨てると、エリザは苦笑した。

「ええ、本当にね……言い換えれば、苦しまなければ、彼らの領域には届かないの。だけど私は、感情の振幅を薬で抑えつけているでしょう」
「だから、彼らから見れば、エリザには苦しむさまが足りないと?」
「そうではないかな、と思っているわ。とはいえ今更、辛いことを真正面から受け止められるほど――私の精神は強靱ではないと思う」

 悲しげに目を伏せたエリザに掛ける言葉を探しつつも、なるほど、とロンガは心の中で頷いた。

 少しだけ眠っていたはずが、一瞬にして外部時間が二ヶ月ほど過ぎていたあの時、ロンガは錠剤を飲んでいなかった。夢とも空想ともつかぬ仮想空間で、友人たちの姿を思い描いたときの自分の感情は、祈りに分類できるように思う。

 つまりロンガが強い祈りの感情を抱いたからこそ、人体の理を乗り越えるほど、超越的存在が強力に干渉したのではないだろうか。

 心の動くままに祈れば、身体が人間から遠ざかる。そして、人間の肉体であろうとすれば、心を抑えなければいけない――つくづく、意地の悪い存在だ。

 考えている間にも、時間はどんどん過ぎていった。

 通路でふと立ち止まったつもりが、丸一日動かなかった、とエリザに教えられたこともあった。居住区域の一角にあった図書館で本を読んでいたら、部屋から出たときには季節が変わっていた。もっとも、四季のない地下に滞在しているので、季節の流れを知る手がかりはプラリネの表示するイメージ画像しかないのだが。

「多分、なのだけど」

 最初に出会ったときよりも一年分、歳を取ったエリザが、ティーカップを片手に溜息をついた。シトロンがやってきて、焼き菓子を並べた皿をテーブルに乗せていく。

「貴女と私では、時間の流れ方が違うんでしょうね」
「D・フライヤがそうさせていると?」
「ええ、理由は分からないけれど」

 ほとんど長さの変化していない前髪を、ロンガは指先で弄んだ。

「精神安定剤を服用すれば、私もエリザと同じ時間で生きられるでしょうか」
「どうかしら」

 マカロンと呼ばれるパステルカラーの焼き菓子を口に運んで、エリザが首を傾げる。

「そもそも、リュンヌはそれを望んでいるの?」
「私は……」

 どうだろう、とロンガは俯いた。

 自分が何を願い、何を目的としているのか、だんだん分からなくなってきたのだ。この狭く閉鎖的な世界において、できることはごく少数だ。だが、エリザと話すのは楽しいし、きっと彼女もロンガとのお喋りを楽しんでくれている。ふたりきりの友人として、少し気を抜くたびに何日も返事を待たせてしまうのは、申し訳ないようにも思う。

「あの、エリザ――」

 ロンガが顔を上げると、部屋の照明は落ちていて、彼女が座っていたはずの席には誰もいなかった。エリザの居室をのぞくと、寝台で眠っている姿がちらりと見えた。ふぅ、と溜息をついて天井を眺めているうちに朝が来て、部屋から出てきたエリザが「おはよう」と言って微笑んだ。

 *

 エリザは大半の時間を、プラリネと向かい合うことに費やしていた。正確には、七人の祖が眠る部屋をプロテクトしているシステムに介入することに、である。複雑な心境ながらも、ロンガは進み具合を尋ねてみた。

「まだ、実行に移せるほどではないのだけどね」

 概念図のようなものを指し示しながら、エリザが苦笑した。

「まず、冷凍室の扉をアンロックする。それから中に入り、人工冬眠装置を止める。手順としてはそれだけ……なんだけど、この扉のロックが強固なの」
「それは、このような事態を警戒してでしょうか」
「ええ。番犬に寝首を掻かれては困るものね?」

 作業をするときだけ掛けている眼鏡のフレームを押し上げて、エリザは小さく肩を竦める。七人の祖がエリザをひとり残して眠りにつくとき、彼らは当然ながら彼女の反逆を恐れただろう。現に、彼らが思い描いたような事情からではないが、エリザは七人の祖を殺そうとしている。

 着々と準備が進んでいることを思い知り、ロンガは溜息と共にティーカップに手を伸ばした。

「私にできることは……もう、何もないみたいですね」

 ただ、エリザの仕事を見守り、超越的存在の描いた因果がどのように達成されるかを見届けるしか、もはや選択肢はないようだった。

「ええ……ごめんなさいね」

 彼女は微笑み、またね、と言って寝室に去った。

 起伏のない時間は、徒に流れていった。

 朝と夜の区切りもなければ、食事も睡眠もさほど必要とせず、気がつけば時間が過ぎ去っている。混濁した日々を歩き回り、記憶と現実の境目をさまよい、時折はエリザと会話をする。

 そんな生活が続き、外部時間で二年ほどが経過した頃だった。

 耳をつんざくほどの警戒音が鳴り、ロンガは寝台から飛び起きた。分枝世界のハイバネイト・シティにやってきて、初めて耳にする音だった。通路に飛び出すと、ロボットたちを従えたエリザと出くわした。眠りに就いていたのだろう、蜂蜜色の長い髪は乱れていた。

「エリザ、非常事態ですか」
「分からない。ただ――冷凍室で、何か起きているようなの」
「冷凍室で?」

 思わず口元に手を当てる。
 まさか、という冷たい直感が身体中を駆け巡った。

「D・フライヤが祖を殺しに来た?」
「可能性はあるわ」

 エリザは小さく頷いて、ロンガの手を取って駆け出した。昇降装置に乗り込み、冷凍室のあるフロアまで向かう。重たい金属製の扉がゆっくりと開いた途端に、全身が粟立つほどの冷気が吹き付けた。

「何?」

 エリザが目を見開く。

 震えている彼女と身を寄せ合いながら、ロンガは周囲を急いで見渡した。フロアの入り口には、立方体に近いガラス張りのクリーンルームが設けられている。しかしながら、壁面のガラスはどれも真っ白に結露していた。

 片手を伸ばして結露を拭い、通路の様子を窺う。

「――あ」

 エリザが息を呑むのが聞こえる。

 冷凍室の扉が薄く開いていた。ロンガがそれに気がついた瞬間には、もうエリザは静脈認証のパネルに手を押し当て、凍てついた通路に踏み出していた。

「待って下さい!」

 吐き出す息が白く凍りつく。

 ロンガは首元のボタンを閉めながら、エリザの後を追いかけた。エリザが手を伸ばすよりも一瞬だけ早く扉は閉まり、重たい音が通路に響き渡る。その場にへたり込んだエリザの横で、ロンガはガラスの小窓をのぞき込んだ。

 灰色を背景に、白っぽいものがうごめいている。複雑な形状の塊から四本の細長いものが伸びた()()が、いくつも冷凍室のなかで動いていた。

 それが人間だと認識して、喉元から引きつったような悲鳴がこぼれる。倒れそうになったロンガの身体を、いつの間にか背後にいたロボット、カシスの腕が支えてくれた。ゆっくりと立ち上がったエリザが窓を見て、ああ、と溜息を零す。

「人工冬眠から目覚めている……まだ、その時は来ていないのに」

 ひとりがこちらに気がつき、見ているロンガたちを指さして何事か喚いた。使っている言葉が違うのか、あるいは口調が崩れすぎているのか、唇を読んでも何を言っているのか分からない。

 だが、必死の表情と手振りから、意図は分かる。
 助けろ、と言っているのだ。

「何とかできませんか、エリザ!」
「でも、扉を開けられないわ」

 エリザが蒼白の表情で眉をひそめる。

「それに。D・フライヤは一体、何をするつもりなのかしら――」

 彼女の言葉に被さるように、爆破のような音が聞こえた。反射的に身を屈めてから、ここで発生した音ではないと気がつき、ロンガはもつれる足で立ち上がる。冷凍室の中を見ようとすると、眩しい白が目を灼いて、思わず顔をしかめた。

 何だ、この明るさは。
 ロンガの隣に立ったエリザが、そういうこと、と呟いて口元に手を当てた。

「リュンヌ、あの奥の壁……見えるかしら」
「光っているところですか?」
「ええ。あれ――」

 唾を飲み込む音が聞こえる。

 ロンガはガラスに睫毛が触れるほど近寄って、中の様子を見つめた。

 そして気がつく。先ほどまでは当てもなく彷徨っていた祖――と、ロンガのいたラピスでは呼ばれていた()()たちの動きが、まるで光から逃れるような動きに変容していた。光の差す方角から、シャワーのように白いものが吹き付けて視界を濁らせている。

 まさか、と息を呑んだロンガの横で、想像したのと同じ内容をエリザが口にした。

「あれ――外の景色だわ」
「あり得ない。地下ですよ、ここ」
「D・フライヤの前ではそんなの無関係よ。ああ、ごめんなさい、遅かったのね……」

 崩れ落ちるエリザの身体を支えながら、ロンガは目を零れそうなほどに見開いて、冷凍室の中を見つめた。部屋の隅に固まった人々の背中が、見る見るうちに吹き付ける雪で覆われていく。死を意味する白色に埋まっていく。

「だめ――!」

 考えるより先に身体が動いた。

 彼らがラピスの祖だとか、D・フライヤの意志だとか、ここが分枝世界だとか、そんなことは何も関係ない。目の前で人が死にかけているのに、黙って見ていられるわけがない。

 さっきは扉が開いていた。
 もしかしたら、まだ鍵は掛かっていないかもしれない。

 重たい扉に寄りかかって、全身で押し込むと、僅かにスライドする感覚と共に、指先が滑り込むほどの隙間が開いた。通路に吹き込んだ雪から顔を庇いながら、ブーツの先を押し込み、隙間を広げようと試みる。

「駄目よ、逆らわないで!」

 エリザの叫びに耳を塞いで、分厚い扉の側面に手を当てる。
 さらに押し込もうと力を込めた瞬間、串刺しにされたような衝撃が半身を突き抜けた。
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登場人物紹介

リュンヌ・バレンシア(ルナ)……「ラピスの再生論」の主人公。統一機関の研修生。事なかれ主義で厭世的、消極的でごく少数の人間としか関わりを持とうとしないが物語の中で次第に変化していく。本を読むのが好きで、抜群の記憶力がある。長い三つ編みと月を象ったイヤリングが特徴。名前の後につく「バレンシア」は、ラピス七都のひとつであるバレンシアで幼少期を送ったことを意味する。登場時は19歳、身長160cm。chapitre1から登場。

ソレイユ・バレンシア(ソル)……統一機関の研修生。リュンヌ(ルナ)の相方で幼馴染。ルナとは対照的に社交的で、どんな相手とも親しくなることができ、人間関係を大切にする。利他的で、時折、身の危険を顧みない行動を取る。明るいオレンジの髪と太陽を象ったイヤリングが特徴。登場時は19歳、身長160cm。chapitre1から登場。

カノン・スーチェン……統一機関の研修生で軍部所属。与えられた自分の「役割」に忠実であり、向学心も高いが、人に話しかけるときの態度から誤解されがち。登場時は19歳、身長187cm。chapitre1から登場。

アルシュ・ラ・ロシェル……統一機関の研修生で政治部所属。リュンヌの友人で同室のルームメイト。気が弱く様々なことで悩みがちだが、優しい性格と芯の強さを兼ね備えている。登場時は19歳、身長164cm。chapitre3から登場。

ティア・フィラデルフィア……とある朝、突然統一機関のカフェテリアに現れた謎の少年。ラピスの名簿に記録されておらず、人々の話す言葉を理解できない。登場時は10歳前後、身長130cm程度。chapitre1から登場。

サジェス・ヴォルシスキー……かつて統一機関の幹部候補生だったが、今の立場は不明。リュンヌたちの前に現れたときはゼロという名で呼ばれていた。赤いバンダナで首元を隠している。登場時は21歳、身長172cm。chapitre11から登場。

ラム・サン・パウロ……統一機関の研修生を管理する立場。かつて幹部候補生だったが現在は研修生の指導にあたっており、厳格だが褒めるときは褒める指導者。登場時は44歳、身長167cm。chapitre3から登場。

エリザ……かつてラ・ロシェルにいた女性。素性は不明だが「役割のない世界」からやってきたという。リュンヌと話すのを好み、よく図書館で彼女と語らっていた。笑顔が印象的。登場時は32歳、身長155cm。chapitre9から登場。

カシェ・ハイデラバード……統一機関政治部所属の重役幹部。有能で敏腕と噂されるがその姿を知る者は多くない。見る者を威圧する空気をまとっている。ラムとは古い知り合い。登場時は44歳、身長169cm。chapitre12から登場。

リヤン・バレンシア……バレンシア第43宿舎の住人。宿舎の中で最年少。年上に囲まれているためか無邪気な性格。登場時は17歳、身長152cm。chapitre31から登場。

アンクル・バレンシア……バレンシア第43宿舎の宿長。道具の制作や修繕を自分の「役割」に持つ、穏やかな雰囲気の青年。宿舎の平穏な生活を愛する。登場時は21歳、身長168cm。chapitre33から登場。

サテリット・バレンシア……第43宿舎の副宿長。アンクルの相方。バレンシア公立図書館の司書をしている。とある理由により左足が不自由。あまり表に現れないが好奇心旺盛。登場時は21歳、身長155cm。chapitre33から登場。

シャルル・バレンシア……第43宿舎の住人。普段はリヤンと共に農業に従事し、宿舎では毎食の調理を主に担当する料理長。感情豊かな性格であり守るべきもののために奔走する。登場時は21歳、身長176cm。chapitre33から登場。

リゼ・バレンシア……かつて第43宿舎に住んでいた少年。登場時は16歳、身長161cm。chapitre35から登場。

フルル・スーチェン……MDP総責任者の護衛及び身の回りの世話を担当する少女。統一機関の軍部出身。気が強いが優しく、MDP総責任者に強い信頼を寄せている。登場時は17歳、身長165cm。chapitre39から登場。

リジェラ……ラ・ロシェルで発見されたハイバネイターズの一味。登場時は22歳、身長157cm。chapitre54から登場。

アックス・サン・パウロ……コラル・ルミエールの一員。温厚で怒らない性格だが、それゆえ周囲に振り回されがち。登場時は20歳、身長185cm。chapitre54から登場。

ロマン・サン・パウロ……コラル・ルミエールの一員。気難しく直情的だが、自分のことを認めてくれた相手には素直に接する。登場時は15歳、身長165cm。chapitre54から登場。

ルージュ・サン・パウロ……コラル・ルミエールの一員。本音を包み隠す性格。面白そうなことには自分から向かっていく。登場時は16歳、身長149cm。chapitre54から登場。

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