２４話 閲覧注意！？禁断の性剣、エクスカリバー！
文字数 6,140文字
前回のあらすじ。
紅との戦闘を突破したジャック、グラリオ、ソニア、アモン。
そこには、ゴラゴラン、轟鬼、星乃紋三郎の犠牲があり、グラリオとゴラゴランの別れがあった。
『ううっ……！うう……！うわああああああああああああ！！』
紋三郎の用意した回復薬を飲んだ事で回復したケバブに泣いて抱きつくジャック。
ジャック、グラリオ、ソニア、アモンは、
先に出口で待っているはずのナナ、リサと合流するため、出口へと走り出す。
…………。
……そして、ジャックや紋三郎を待つナナ、リサ、アイドルの星乃未来、リリックによってヒヨコに変えられてしまった紋三郎に、新たな悲劇が起ころうとしていた……。
＊＊＊＊
クラスタドーム。緊急通路、２階。
ナナ、リサ、未来は、大勢の客と共に細長い通路を歩き、放置されていたパイプ椅子を使って休憩していた。
ショートコント。「危ないゴラゴニャン」。
……今日も筋肉がバッキバキにゃ！イケナイところもボッ……バッキバキにゃ！！（野太い声）
なるほど、そういう事ね。
あの子、ライブ会場に残ったみんなの事、心配してるんだと思うよ。
あたしの推しだって向こうにいるし、ジャックちんもソニアちんもいるしさ、なによりおじいちゃんを待ってるんだよ。
一緒に待ってあげよう？
にゃ！！
らいちゃんらいちゃん！
ウチは疲れたにゃ！ここから動かないにゃ！！
えっ……？
あっごめんね。ちょっとぼーっとしてて……。
どうしたの？
ウチも待つにゃ！
ここでごろごろ〜ってしてたいにゃ！お布団でスヤァってするにゃ！
あ、えっと……大丈夫だよ？
少ししたら行こ？
そうだよね……！
ナナちゃん、リサさん、ありがとう♪
あれ？
ねーねーリサっちー！
こら。
ナナちん？冗談でも言っちゃいけないよ？
星乃紋三郎でしょ、アルバートとかいうゴールデン男を追い返してくれたじゃん。
ジャッきゅんもソニアっちもわかるけど、星乃紋三郎っていう人間はわからないにゃ。誰のおじいちゃんなのか教えてにゃ。
こら。怒るよナナちん。
星乃紋三郎っていうおじいちゃんと会ったでしょ？
せっかく助けてくれたのに、わからないなんて言うもんじゃありません！
えっ……こっちが謝らないといけない立場なのに神対応……！
ごめんね、未来ちゃん。きっとおじいちゃんもここに来るよ。帝国なんてスパッと斬っちゃうような人だし、すぐ来るよ！
ううん、いいんです。
それより……
（あれ……なにこれ……？
あたしだけ覚えてるの？あんなにナナちんと落ち武者落ち武者って……
あっ！）
するとその時、リサ達が進む通路の先から男がやってきた。
それは、一度紋三郎に剣を折られ、「覚えてろ」と捨て台詞を残した男、アルバート。
ははは。無駄だよ。
あのジジイの事は、君以外誰も覚えてないんだ。
またあんた？ノコノコ戻ってくるなんていい度胸してるねぇ。
あたし以外誰も覚えてないなんて、そんな事あるわけないじゃん。ほんとはビビってんじゃないの〜？
その必要はないよ。奴はもういないからね。
ボクも、奴がジジイだったという事しか覚えてないんだ。もし名前を知っているなら教えてくれよ。
……しょうがないね。
いいかいよく聞きな！あんたの剣を折ったスーパーおじいちゃんの名前は……！！
（ダメだ出てこない……！星乃……星乃なんだっけ！？
三郎？小次郎？源十郎？思い出せない……！なんで……！？）
死んじゃった……！？
じゃ、じゃあ、あたし達を助けてくれたおじいちゃんはオバケ……？
ははは！もうわかっただろう？
このボクを馬鹿にしたクソジジイはもういない！化け物にやられたんだ！！
我々帝国に殺された人間とモンスターの怨念から生まれた化け物……。リリックだよ……。
アレの魔法を喰らえば、動物やモンスターに変えられてしまう。
しかも自分の事は誰１人覚えていない……。
『えっと、ほんとはいたんだけど、この世界に来る前に死んじゃってね？おばあちゃんもいたんだけど、おじいちゃんより前に死んじゃったんだ。』
『おおう……わしの股間のダイナミックボーイが疼くんじゃあ……相手をしてくれんかのう？』
うるさい！邪魔しないでよ！
大体あんた、あたしに説明するために戻ってきたわけ！？
それはオマケだよ。
そんな事より、ライブ会場はもっと悲惨な事になったんだ。
あーあー聞きたいかい？聞きたいだろうねぇ？
でもその前に、ちょっと思い出してほしいんだ。
確か君達は……ボクに酷い事を言ったはずだよねぇ？
はて……どんな事を言ったんだったかな？
……あんたまさか、あたし達に謝ってもらうのが目的で戻ってきたの？
顔もイケメン、お金もある。でもそれじゃモテないよ？幻滅だわ。
ボクは今、敵である君達に仲間の情報を教えてあげたんだ。
ただ単に謝ってもおもしろくないからねぇ、侮辱した罪も重ねて……
正解だよ。さっきの事をちゃんと土下座で謝ってもらおう。全裸でね。
あぁもちろん、そこのアイドルもニャルシーも全裸になってもらうよ？
「すみませんでした」と泣き叫びながら全裸で謝って、その後はボクのメイドとして一生仕えるんだ。はははは！
この先に進みたいんだろう？それなら悩む必要はないさ。
扉の鍵はボクが持ってるからね。
ははは！メイドを３人捕まえたも同然だ！
さぁ、君達３人が謝ってボクと一緒に帝国に来れば、ここにいる客は助かるんだ。恥ずかしいのはわかるが、悩む必要はないはずだぞ？はははは！ははははははははは！
あぁ～元気なニャルシーだねぇ～。
ボクのメイドになると考えたらかわいく見えて来たよ～。
君、名前は？
（チッ……！脱いで謝るのが恥ずかしいどころの問題じゃないよ！このままじゃ帝国行きじゃないか！どうすれば……！？）
毒舌になるナナ。焦るリサ。
しかし、未来は何かを不思議そうに見つめていた。
それは、ライブ会場の方向から一直線に飛んでくる桃のような何か。
何故かアルバートの顔と同じ高さを保っている。
（なんだか焦げ臭いような……？
あの桃……）
燃える桃に焦る未来。
慌てて説明しようとするが……？
あぁ、まるで桃のようにツルツルでテカってるのさ。
んー、あのゴラゴランとかいうマッチョ風に言うなら……
その瞬間。
滑舌よく「ＹＥＳ！ヒップ！」と叫び、お尻を突き出してパァン！とお尻を叩いたアルバート。
彼の目の前を、燃え盛る桃……否、燃え盛る炎に包まれた小麦色のお尻が一瞬で横切り、
通路の先にある頑丈な扉に直撃。
まさかの衝撃に、武器も魔法も効かない扉は全壊し、奥に魔法陣が見えた。
そしてアルバートは、一瞬だけ見てしまった物の名前を叫ぶ。
……ﾊｯ
ボ、ボクとした事が下品な言葉を言ってしまった……！
ん”ん”っ。今のは何だ！？
にゃ……にゃにゃにゃにゃにゃ……！
今のは……小麦色の太陽……！ツルツルテカテカの太陽にゃ！！
唖然とするアルバート。
すると、全壊してしまった扉の方から１人の男がやってくる。
炎をバックにゆっくりとこちらへ来るその姿は、紅そのもの。
そう！あのお方こそ……！
大自然の恵みを愛し、厳しい大自然に育てられ、あの大人気けものアニメにも出た大自然の王者……！
※出てません。
ターミネーター秀樹！！！
尻神様の頭ツルツルで真ん中ボーボーだよ！？
っていうかターミネーターって何！？もうわかんないよ！！
秀樹との距離を詰めるアルバート。
しかし、秀樹はアルバートの背後に回ると、アルバートのお尻を撫でまわし、あま～い声で囁きだす。
君の尻はプリンとしていてキュートだなぁ……。
どうだい……私の自家製ハチミツをブッかけてあげようか……？ｼﾞｭﾙﾘ
ＮＯ！！答えはＮＯだ変態野郎！！
大体何がハチミツだ！ボクはそういう趣味はないぞ！！
逃げなくてもいいじゃないか……。
いいかい？ケツというのはハチミツをかけてあげると奥まで染み込んで、味が濃厚になるんだ……。
いい事を教えてあげよう……私のスキルは「舌を好きな形に変えられる」……。
というわけで私の舌を剣の形に変えて、君のケツに挿入してあげよう……！
挿入！？おいちょっと待て！！絵面が汚いぞ！？
わかってるのか！？ご飯中の人もいるんだぞ！？
では深呼吸して、スー……ハー……。
では私の舌、名付けて「性剣エクスカリバー」の挿入の儀式を開始する……。
まずは君のケツを優しく舐め回しながら始めよう。
さぁ、力を抜いてごらん。ちゃんとほぐしてあげないとダ・メ・だ☆
うおっ！
えーと、あんたは確か……
ん？なんか変な匂いしないか？
甘い匂いっつーか柑橘系っつーか……。ヤベー事でもしてたのか？
あれ？ケバブ君、ツッコミが意味深じゃないか。
もしかしてネタ通じる？友達になっちゃう？合体しちゃう？
ワーオ！！！
この２人、会わせちゃいけないんじゃ！？
かくして、ナナ、リサ、未来は、
秀樹の強烈なスキルによってアルバートを倒す（？）事に成功。
ジャック、グラリオ、アモン、ケバブ、ソニアは、
ナナ、リサ、未来と共に魔法陣の部屋へ。
……そして、禁断の儀式を終えたアルバートは、
クラスタドームの外に出ると空を見上げ……。
