167話 ようこそ楽園へ!ラトリア最後の思い出作り!Part.7
文字数 8,985文字
前回のあらすじ。
「恋よもう一度プロジェクト」は順調。
ミッション1。
ナナがソニアに手紙を見せてビアガーデンに呼ぶ。
ミッション2。
ジャックが会場にいるのを知っていても知らないフリをする。
そしてミッション3。
ソニアをビアガーデンから出さないよう監視して飛び降りを防ぐ。
ここまでを問題なくクリアして、
スペシャルライブ本番までの30分間を使って本来予定していないサプライズライブを決行。
そして、筋肉が自慢のファイアーダンス&コタローやソラによるオリジナルソングは大きく盛り上がって客のテンションは最高潮。
ただ、実はこのサプライズライブ……
特に意味のないオリジナルソングをただ単純に歌っただけ、ではなく……
FIRE BIRD/ヴェルグ&バルバトス
We Are マッスル!/犬星ソラ
限界突破マッスル7/ヴェルグ&犬星ソラ
Hero/ヴェルグ&ヒビキ
Victory!!!/ヴェルグ
Cry baby/バルバトス
キラメキスーパースター!/犬星ソラ&コタロー
GOGOモリゾー!/モリゾー
ハッピーマッスルアドベンチャー!/犬星ソラ
インフィニティ∞ブレイカーズ/轟鬼&ヴェルグ&ヒビキ
バルクピース体操/筋肉組オールスターズ
君にファンファーレ/金剛寺桃華&犬星ソラ
夏恋マックスハート/ヴェルグ&バルバトス
いつの日かキミと/犬星ソラ
キミにANA/モリゾー
絶対ごはん宣言!/犬星ソラ&モリゾー&コタロー
変態上等☆ごちゃパラFIVER!アンリミテッド/ドゥーン&パンザレス
下ネタ言って何が悪い!/ドゥーン&パンザレス
****
6階。
ビアガーデン。
ライブ本番まで残り5分。
サプライズライブもいよいよ終盤に差し掛かって、ラスト7曲が歌われたところ。
進め!コタロー救助隊!/コタロー&シロナ&ウルク
揺らせ!爆乳妄想少女シロナちゃん!/ドゥーン&パンザレス
ラビットガールはご乱心。/ミルフィー
モーレツ!シロナのお悩み相談コール♥/シロナ
優しくハグをして♥/シロナ
スケスケシロナが大開脚♥/シロナ
乳製品♥ヨーグルト/シロナ
そんな時、ようやくハルやルルカが到着。
「筋肉組」として呼ばれていたゼルガは張り切ってステージに向かって走り出したところで、ちょうどバルバトスとソラがマイクで喋っていた。
しかし?
よし、間に合った!
セクシャルレインボーで恒例になったプロのリンボーダンスを見せてやろう!!
オレ達のサプライズライブ、
終了の時間がやって来ましたああああああ!!!
この後はスペシャルコラボライブが始まるぞおおおおおおおおおおお!!
そうだ!今来たばっかりだぞ!
せめて1曲くらい歌わせろ!!
サプライズライブは大成功。
それでいいじゃないか!
観てくれたみんな、どうもありがとう!!
私もみんなと出会ったばっかりだけど、すっごく楽しかった!
これで終わりなんてイヤだよ!!
出会った時間に長い短いなんて関係ない。
一緒に歌ってる間に絆を結んで、本当のお姉ちゃんみたいに思ったんだな。
泣かせるじゃん!
じゃあもう1回「変態上等☆ごちゃパラFIVER!アンリミテッド」歌っとくか〜〜〜?
ネタ曲だからみ〜んな笑えるぞ〜?
略して「変パラフィーバー」。
振り付けはほとんどコマネチだったでしょ?
ソラ君とコタロー君と3人で歌った「絶対ごはん宣言!」も良かったでしょ?
冒険はごはんを食べないと出来ない!
元気を出すにはやっぱりごはんがなくっちゃ!
そういう気持ちを歌にしたんだよ♪
「君にファンファーレ」。
いつも頑張る人にたくさん笑っていてほしいから、ずっと応援したい気持ち……。
大切なお兄ちゃんを思って歌ったの。
ボクも同じだよ。
離れたくない、一緒に居たい。
ゴーストパークでジャック君とバイバイしたあの時の辛い気持ちと、今もきっとどこかで頑張ってるその背中を押してあげたい「がんばれ」っていう気持ち。
どんなに会えない時間が長くたってずっと待てる……
もしかしたら今日来てくれたみんなの中にもいるかもしれないね。
大切な人のそばに居たいけど居られない人。
頑張れええええええええええええええええええええええ!!!
大好きっていう気持ちを捨てないで!
一緒に居た時の笑顔を思い出して!
辛くて苦しい日がいつまで続くか分からなくたって負けちゃダメだよ!
好きな事を辞めないで続けていてよ!!
君が今まで笑っていられたのは大切な人のおかげ。
大切な人が今まで笑っていられたのは君のおかげ!
自分に自信を持って!!
絶対また会うんだって気持ちを強く持って!!
ステージの真ん中でマイクを握って、精一杯の気持ちを叫ぶソラ。
しーん……と静まり返っていたビアガーデンに、ひとつ、またひとつと手を叩く音が聞こえてきて……
大勢の客、一緒に「君にファンファーレ」を歌った桃華、バルバトス、ヴェルグ、大文字ヤマト、レックス、その場にいる全員による拍手喝采が巻き起こった。
うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
ソラああああああああああああああ!!!
チクショー好きだバカヤローがああああああ!!!
涙が止まらないですよおおおおおおおおおおおおおお!!
なんていい人なんですかああああああああああ!!
犬星ソラ君の「頑張れ」。
確かに受け取ったぞ。タケル兄さんが居なくても落ち込んでいてはいけないな。
僕も頑張らなくては。
驚いたわ。
あの子にはソニアちゃんの事を伝えられてないし、本当はジャックがいる事も知らないのにこんな事言うなんて……
そっか……
ソラも辛いのを我慢してまた会えるその時を待ってるんだ……
ジャックを探していたその足を止めて、ソラの言葉を否定せずにしっかりと聞き入れたソニア。
涙を流し、ステージの上をじっと見つめながら今までの事を思い出す。
話したい事があっても好きな人が居ない、最初は「待てる」と思っていた……。
でもどんなに待っても帰って来なくて、辛くなって……
好きな事を続けていても虚しいだけだと思って、耐えられなくなって……!
『無理にゃ!!
どうして友達を殺さなくちゃいけないにゃ!?
ウチにはそんな事出来ないにゃ!!』
『ソニアちゃん、落ち着いてよ!
死ぬなんて考えちゃ駄目だよ!!』
『何故だ?
このまま待っていてもどうせ帰って来ないよ。
いいから私を殺してくれ。』
でも……ソラは違う……!
バルクピースアイランドに行く前に、ゴーストパークでジャックに勝負を仕掛けた……!
『おいでよ。
ボクを倒せなきゃゲノン帝国の人には勝てない。
それが嫌なら……』
すごいよ……!
どうしてそんなに頑張れるんだ……?
どうして前を向けるんだ……?
私、感動しちゃったわ!
片想いの彼が冒険者になって2年、
ずっと帰って来ないけど、もう少し待ってみようかな!
おっしゃあ!俺も頑張るぞ!
これでもかって言うくらい大声で「おかえり」って叫んで、ビックリさせてやるんだ!
負けてられるかコノヤロー!!
ソラが言った通り、
大切な人のそばに居たいけど居られない人はソニア以外にもたくさんいる。
そしてその1人1人が、
ソラの「がんばれ!」というエールの力で元気付けられて、勇気をもらって、まっすぐ前を向いている。
きっとソラと桃華が歌った「君にファンファーレ」はすぐに有名になって行くだろう。
まだ、完全に癒えたわけじゃないけど……
なんだか私も、心が暖かい気がする……。
ソニア・オーヴィさんへ。
今日のライブでこれを歌って下さい。
あの手紙は本当に、ジャックが書いたものだったのか……!?
ビアガーデンに居る全員の拍手喝采の中、慌てて辺りを見渡すソニア。
そうだ、ステージが怪しい。
もしかすると見つからないように隠れているかもしれない。
そう思った途端、ついにサプライズライブの終了の時間が……。
じゃあ、最後にみんなで手を繋いで「ありがとう」を伝えよう!
なんかソワソワする〜!
ボク達の出番はここまでで、次はいよいよライブ本番だよ〜!
(ソニアちゃん、いるよな?
本当はジャックがいるって言いたいけど我慢しないと……!)
みんなで横1列に並んで、手を繋いで一斉に感謝。
たくさんの拍手の中退場していく。
そしてついに、星乃未来とナナがステージの上に現れてスペシャルライブがスタート。
最初の曲は?
みんなーーーーーーっ!!
スパ・ラトリア、スペシャルコラボライブ!
盛り上がる準備はできてるかなーーーーーー?
ハルさんがテンション上がりすぎてすごい顔してるんですけど!?
もうガマンできないにゃ!!
みんなで最高の思い出にするぞーーーーー!
♪みんなに! 振りまく笑顔
♪とびきりの! 衣装で踊るの
♪私も あんな風に 歌えたらいいのに
♪みんなを! 笑わせたくて
♪念願! 憧れのジョブに変えて
♪いっぱい たくさん 歌を練習したよ
♪辛い事や悲しい事も いっぱいあるけれど
♪同じ夢を叶えた 君と一緒なら
♪どんな事も超えて いける
♪いつか夢見た私のステージ
♪みんなに笑顔届けて 歌って踊って大ジャンプ!
♪まだまだ続けていきたいよ
♪だからアイドル活動 大好きなままでいてもいいよね?
アイドルになろうと思ったキッカケ、
アイドルにジョブチェンジした後、
未来とナナが出会ってからの日々、
「これからもアイドルを続けたい!」という気持ち。
それらを歌にしたこの曲のタイトルは、
元々は未来の持ち歌だったものをコラボライブのためにアレンジした、
「なんてったってアイドル!〜スペシャルver〜」。
2人でジャンプしたり手でハートを作ったり、
片足を上げてウインクしたりと、かわいい振り付けが特徴。
みーーらーーい! みーーらーーい!
みーーらーーい! みーーらーーい!
♪辛い時や悲しい時に いつもそばにいてくれた
♪私の夢を応援してくれる 大好きな人
♪い〜つ〜か〜 お婆ちゃんに〜
♪会〜え〜た〜ら〜 伝えたいこの気持ち〜
♪いつか夢見た私のステージ
♪みんなに笑顔届けて 歌って踊って大ジャンプ!
♪まだまだ続けていきたいよ
♪だからアイドル活動 大好きなままでいてもいいよね?
♪君と2人で輝くステージ
♪みんなにエール届けて 輝くステージで大ジャンプ!
♪もっと笑顔で歌おう 遠くへ聞こえるように
♪だからアイドル活動は やめられないんです!
【未来&ナナ】
♪ララララ ララララ ラララ
♪ララララ ララララ ラララララ
♪ララララララ ララララ〜
想像してたよりもずっと未来ちゃんが目の前で歌っている光景が嬉しくて、歌詞が胸に刺さって、感無量だったんだねぇ!
****
その後もスペシャルライブは大盛り上がり。
リサやバルバトス、ナナのソロ曲やコラボ曲も歌って、30分が経過。
現在の時刻、午後8時。
ついにその時が迫っていた――。
美味しいご飯を食べながら最高の歌を聴けるなんて言う事ナシだよ!!
サプライズライブももっと歌いたかったなぁ!
だけど……
みんな、どうしたの?
なんだかソワソワしてるみたい。不安なの?
えっ?
そういえばソニアちゃんに会ってないなぁ!
久しぶりに会いたいけど、まだ歌ってないよね?
ドゥーン君、でいいんだよね?
どうしたの? お腹痛いの?
みんなどうしたの?
さっきからお箸が止まってるよ?
なんだかおかしいよ? ねぇ大丈夫?
『ジャックとソニアが再会できるまで、ジャックがここにいる事は秘密にしておこう。』
『今日のライブにはジャック本人が出会った各方面の仲間達が集う。
って事はジャック以外にも再会できる者がいるはずだ。』
『そうだ。
でも、当の本人はソニアに約束の曲を歌う事を条件に再会する事を決めたんだ。
それなのにすでにジャックがいる事がライブ会場にいる誰かに知られてしまったら急かしてしまう。』
『それじゃ駄目なんだよ!
ちゃんとソニアの意思で歌って、ジャックとの再会を叶えてほしいんだ!!』
『ナナが手紙を渡して自分の足でライブ会場に向かう最初のミッションが上手く行けば問題ないさ。オレはソニアを信じてる。』
『いいか?
絶対にソラにジャックが居る事を知られるなよ?
絶対だからな!!』
ううん。ジャンプっていいよね!
未来ちゃんみたいにソニアちゃんのジャンプする所、見たいなって思っただけなんだ!
あっそうだね!
ボクもジャンプするの大好きなんだっ!
実は日本にいた頃、ジャック君と一緒にサッカーがしたくていっぱい練習してたんだ〜!
コタロー、我慢しろ……!
俺だってさっきから心が落ち着かないんだ!
ボクも緊張してヤバいよ!
お腹空いてて目の前にこんなに美味しそうなご飯あるけど、これじゃ喉なんて通らない……!
そうだろ?
今日のために張り切って作ったんだ。
まさかゴッツァンと共同作業になるとは思ってなかったけどな。
最後のミッションをクリアした後に出てくる男こそ、ここに集まったメンバーと絆を結んだ張本人。
って事はみんな"あいつ"に会いたがってる。
ソラがすごく会いたがってるって事に気付いて、本当の事を教えてあげたくて仕方ないんだろ?
だったら会えるかどうかを握ってるソニアちゃんを信じようぜ。
願いを叶えられるのは彼女しかいないんだ。
大丈夫さ!
きっとステージに立って歌ってくれる!
きっと!!
(もともとジャックの作戦は予定外だからそろそろ歌わないとライブが終わっちまうぞ……!)
(ジャックさんが用意した手紙を信じて歌って下さい!みんなあなたを待っているんですよ!)
みんな、ここまで見てくれてありがとうにゃーーーーーー!!
そろそろ終わりの時間が近付いてるけどまだまだ盛り上がって行ってにゃーーー!!
いやぁナナちゃんの歌かわいいよなぁ!
次の曲も楽しみだけどもう終わっちゃうのかぁ!
もっともっと聴きたいぜ!
ステージの裏。
ステージの上には誰も居ない状態……。
ジャックはどこだ!!
この会場のどこかに居るはずだ!!
姉さん、見てないか!?
そ、そうなの?
すごいねぇ〜ソニアちゃん!
それよりライブの終わりが近付いてるからそろそろ歌わないと……
姉さん、何か知ってるなら教えてくれ。
ジャックはどこにいる。
まさか、私の気持ちを知っていてわざと隠しているのか……?
お、落ち着いてよソニアちゃん!
ここはステージの裏だからお客さんは見てないけど、そんな怖い顔じゃ出られないよ?
ナナ、あの手紙は何だったんだ?
手の込んだイタズラのつもりだなんて言うつもりじゃないだろうな?
わ、分かんないにゃ!!
ウチはたまたま拾っただけで何も知らないにゃあ!!!
ここにジャックが居るかもしれない。
でもそれだけじゃ確信なんて持てないし、そもそも私はもう歌う事も生きる事も諦めたんだ。
それなのにこんな所に連れて来て……
【観客の声】
ソーニーア! ソーニーア! ソーニーア!
ソーニーア! ソーニーア! ソーニーア!
ほら、違うにゃ……!
みんなソニアっちがステージで歌ってくれるのをずっと待ってるにゃ……!
楽しみにしてる人達がたくさんいるにゃ……!
そうだよ。
君が笑わなくなってからあたしもバルバトスもみんな心配してるんだ。
嫌いになるもんか!!
お客さんのみんなの声、聞こえるでしょ?
犬星ソラ君の応援、聴いたでしょ!?
『頑張れえええええええええええええええええええええええええええええ!!!』
……私にも大切な人はいるよ。
この世界に来る前まで一緒にいたお婆ちゃんと会えなくて寂しくて寂しくて仕方ないの……。
でも、何処かにいるお婆ちゃんに褒めてもらいたくて念願のアイドルになって、どんなに遠くにいても聞こえるくらい大きな声で歌ってる。
そしたらいつか、会えると信じてるから……
分からないよ!!
でも私が諦めたらいつまで経っても会えないかもしれない!
だったら少しでも願いを叶えるために歌う!
だから今は……
お願い。ステージに立って。
私、ソニアちゃんの歌が聴きたいよ。
辛い想いに打ち勝って、笑顔で歌ってほしい!
ウチも信じてるにゃ!!
ソニアっちは歌うの大好きでしょ?
ずっと聴いてないから寂しかったのにゃ!!
願いを諦めちゃダメだよ。
ソニアちゃんの会いたい気持ちと同じように、ジャックだって同じ事を想ってるはずだよ?
だから歌おう?
なぁ、何か変じゃないか?
誰もステージに上がって来ないぞ?
【観客】
ソーニーア! ソーニーア! ソーニーア!
ソーニーア! ソーニーア! ソーニーア!
ソーニーア! ソーニーア! ソーニーア!
ソーニーア! ソーニーア! ソーニーア!
ナナやリサに背を向けて下を向いたまま立ち尽くすソニア。
鳴り止まないコールを拒むように耳を塞いで、苦しそうに目を瞑る。
頭の中ではもう諦めて消えて無くなりたい気持ちと、手紙を見てもしかしたら本当にジャックに会えるかもしれないという気持ちでどうすればいいか悩んでいる状態。
それに自分のために周りの人が励ましてくれているのは分かっている。
今ここにいる大勢のお客さんもそう、ナナもそう、リサもそう、バルバトスもそう。
中でもソラの応援は本当に嬉しくて、しばらく涙が止まらなかった。
私だって歌いたい……!
私だって笑いたいよ……!
ジャックやみんながいて楽しく過ごしていたあの時みたいに……!
はい!マイクだよ!
ジャックが旅に出たあの日からしばらくずっと会話も出来なかったし笑ってくれなかったけど、こうやってナナちゃんとハグ出来たって事は安心していいんだよね?
本音を聞けて良かったよ!
「みんなとここで」を歌うんだよね?
会場の中にその曲を待ってる人がいるはずだよ!
私もちゃんとここで聴いてるからっ!
「本当にジャックはいるのかな?」
「あの曲を歌ってどうするんだろう?」
疑問と期待を胸にリサからマイクを受け取って、ステージに向かってゆっくりと歩く。
すると、そんなソニアの姿に気付いたヴェルグが指を差して……
おい見ろ!
誰かステージに立ったぞ!
あれがソニアちゃんか!?
うぅ……!
うんうん、本人で間違いないぞ……!
やっとステージに立ってくれた……!
やっと……やっとだ……!!
あれがソニアさん……!
じゃあ、歌ってくれるよね……?
あぁ!!
辛い想いを振り払って、やっとここまで来たんだ!!
きっと歌ってくれる……!!
ねぇねぇ、あの子がこれから歌う曲ってどんな歌詞なの?
「みんなとここで」の歌詞はジャックが作ったもので、グラスオーヴィでライブをした時にみんなで歌ったんだ!
うおおおん!あの頃が懐かしい!!
そうさ!
ちなみにその時は1番だけだったんだけど、今回はフルバージョンだ!
歌詞カードがあるから配っておくぜ!
本当にジャックが作ったの!?
この歌詞好きなんだけど!?
バルバトスの歌詞カードを見て思わず笑顔になるヴェルグ達。
そして、みなの注目を集めたソニアは涙を拭いて、深呼吸。
ステージの真ん中に立ち、まっすぐ前を向く。
(大丈夫。ナナとも姉さんともやっと普通に話す事が出来たんだ。
嫌われたわけじゃない事は分かってた。)
(だから、ライブが終わったらきちんとみんなに伝えなくちゃ。)
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