161話 ようこそ楽園へ!ラトリア最後の思い出作り!Part.1
文字数 7,855文字
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ラトリア。
ハルが目を覚ましてから数時間後。
時刻は午後4時。
ジャックサイドはコロシアムでシロナとアラネアとダイナーの屋敷へ。
コタロー
ドゥーンサイドは目を覚まさないハルを心配しながらコロシアムの前で待つ。
それぞれのサイドしか知り得ない情報を持っているし、やっと全員が集まれたから話し合いたいところ。
ところが体力も精神もヘトヘトで、体を休めるためにとった行動とは……?
そう、男の永遠の夢、女湯であ〜んな事やこ〜んな事……
ではなく、一同は疲れを癒すために
けしからん展開になりそうで不安になるジャックをよそに、一同はフロントへ……
スパ・ラトリア。
そこはラトリア内に分かれた3つのエリアの中で最も人気の総合温泉施設。
「日本」の要素を取りに入れた事で「異世界人の文化に触れたい!」と旅人や冒険者、ラトリアに派遣された各騎士団も通うし、その中にはジャックと同じように日本からこの世界に来た人もいる最強の観光スポット。
まずは外観。
白く大きな建物には施設の名前が書いてあって、敷地内には日本庭園も。
野外温水プールもあって、12種類のプールが楽しめる。
次は館内の1階。テーマは「日本」。
フロントと靴を入れるロッカー。
広いスペースにはお土産処があって、牛乳プリンやよくあるキーホルダー、温泉たまご、塩など、よく見る商品がズラリと並んでいる。
その中には「ラトリア温泉に行ってきました。」と書かれたお菓子まで。
フロアの端っこにはプールへの入り口も。
2階。テーマは「日本」。
よくある休憩コーナーとマッサージチェアはもちろん、いろいろな町にある温泉施設を記した「癒しマップ」という絵が描かれていて、実際にここを利用した異世界人のサインやメッセージ、写真を飾っているコーナー。
お寿司やスパゲティ、カレーにケバブにたこ焼きなどが並ぶ食べ放題の食事処も完備。
さらにはUFOキャッチャーやパンチングマシンなどが遊べるゲームコーナーまで。
3階。テーマは「日本」。
男湯と女湯に分かれていて、泡風呂や樽風呂、寝湯、サウナ、岩盤浴、露天風呂が楽しめる。
さらに家族やカップルやグループなど身内だけで楽しめる団体専用の温泉がある別館への連絡通路が。
4階。テーマは「ラトリア」。
獣人のためのハーブ入りの湯、
妖精や精霊、幽霊のためのマナ入りの湯、
フィールのためのもふもふの湯、
エルフのためのポーション入りの湯、
マギアドールのためのオイル入りの湯。
人間以外の種族に向けた温泉比べができるのは大きな魅力。
5階。テーマは「両方」。
脱衣所以外の全てのスペースを使った巨大な温泉、それが「自由の湯」。
なんとスパ・ラトリアのスタッフ、利用客、全ての人が考えたオリジナルのお風呂に入る事が出来る。
ちなみに湯の内容は時間ごとに変えている。
6階。テーマは「両方」。
フロアの中は宴会場。
野外デッキに出ればナイトプールとビアガーデン。
7階から上の階は宿泊可能。
種族に合わせた部屋で泊まることができるほか、施設のどこかに神社がある。
――ここは癒しと娯楽の楽園スパ・ラトリア。
美容と健康、癒しを求めて温泉に入るも良し、
食べ放題やビアガーデンを楽しむも良し、
ウォータースライダーやナイトプールで遊ぶも良し、
ゲームコーナーで遊ぶも良し、
洋室と和室のどちらも選べる客室でゆっくり眠るも良し。
ジャック達12名はラトリア最後の思い出を残すため、翌日まで宿泊してめいっぱい楽しむことに。
そして……
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時刻は午後4時半。
ジャック達が自由行動を開始してから30分後。
間違いなくスパ・ラトリアの歴史の残る
ここはスパ・ラトリアの外にある野外温水プール。
日本ではお馴染みの流れるプールや波の出るプールはもちろん、キッズプールやウォータースライダーが並んでいた。
これが冒険者や獣人など、異世界人の文化を知らない人達にとって絶大な人気を誇っている。
そして、その中で楽しんでいたのはヴェルグ、コタロー、ウルク。
初登場からかっこよくて優しいセリフでジャックを支えてくれたディアスの王子、その名はヴェルグ。
怖い物や苦手な物なんてひとつもないイメージがありそうだけど、初めて見るウォータースライダーにちょっとばかり怯えている様子……。
さすがのヴェルグもウォータースライダーは苦手?
いや、コタローのスーパースターのせいであり得ないスピードで滑れば誰でも心が折れて当然……。
口を大きく開けて上を向きながらフラフラと歩く姿に、ウルクも同情。
すると、コタローが人だかりを発見。
それは……
ヴェルグ、あまりの光景に鼻血大・噴・射。
恐怖のウォータースライダーから何かを見て無事に元気を取り戻す!!
……と思いきや、そのまま後ろにひっくり返ってバタンキュー。
そんな彼が見たものとは……!
プールサイドの白いサマーベッドにうつ伏せで寝るシロナとミルフィー。
2人の水着は上だけ脱がされて、ギリギリ胸の先端が見えるか見えないかくらい。
そして男達のギャラリーを集めてしまう魅惑の喘ぎ声を出し、背中をマッサージをしているのはあのレックス。
しかもよほど気持ちいいのか、小刻みに体を動かすからうつ伏せでも大切な所がチラッと見えそうになったり……
世の男達の素直な反応が浮き彫りになってしまうこの事態。
ヴェルグの大事なところも思わず……
シロナとの出会いに「まさかの再会」が頭に浮かぶレックス。
次回、海パン事件後編も大暴れ!!
つづく!