94話 英雄復活!涙の再会!
文字数 4,145文字
前回のあらすじ。
ミノルのアブソリュート・エンヴィー。
ヒビキのブレイズインパクト。
ゼルガの
レックスのサポートによる攻撃を繋いで飛空艇から吹っ飛び、見事に岩礁の下にある牢獄に着いたジャック。
ライドウのメンバーズカードを斬る事に成功してメルーナを助けた、と思ったのも束の間、不気味に笑うライドウ。
オズウェルは敵。
メンバーズカードを斬ればライドウは元に戻る、は嘘。
さらにメルーナは偽物でここにはいない。
これは罠。
ライドウはそう言い残し、牢獄を破壊。
牢獄の中に海水が流れ込み、
ジャックはあっという間に溺れてしまう……。
****
飛空艇。
やっと火を消す事に成功したミノル達。
しかし今、ヒビキの怒りが爆発して胸ぐらを掴んでいた。
その怒りの矛先はオズウェル。
ミノル、リリムもその原因に動揺していた。
空に響くヒビキの叫び声。
白く大きな鳥が悲しそうに鳴いて通り去っていった。
****
ゴポゴポ……
青く綺麗な海の中に差し込む太陽の光。
海を泳ぐ魚も海藻も岩も、どれもがキラキラと輝いている。
そんな中、ジャックは仰向けになったまま海の中でゆらゆらと浮かんでいた。
うーん……と海の中であぐらをかいて考え込むジャック。
そこでようやく"ある事"に気付く。
右手に握ったままのフレイムイーターを見てまさか、と思うジャック。
「ありがとう。」と呟くと、海面へ泳ぎ出す。
……と、その時。
ジャックが見たものは大勢の小さな魚。
何かから逃げているのか、こちらに向かって猛スピードで突っ込んでくる。
このままここにいれば大きな魚が襲ってくるかもしれない。
ジャックは慌てて海面に泳ぐ。
しかし。
気付かないうちに大きな魚……
いや、丸くて大きな目がギョロッとジャックを見つめる。
両手で顔を隠して目を閉じて丸くなるジャック。
でも待って。目を閉じる前に一瞬人がいたような。
そう思って手で顔を隠したまま、
目を開けて指の間から見てみるジャック。
そう、これは人間。
誰って、友達だよ。へんちくりんな格好してるだろ?
ははっ。よせよ。
くすぐったいだろ?ははは!
……うん。大丈夫みたいだ。
案内してくれてありがとう。助かったぜ。
目を凝らしてよく見てみるジャック。
と、その時。
ガボボボ……
おっと。
アレの効果、10分ちょっとか。
じゃあみんな、また後でな!
ジャックに声をかけると抱き寄せ、
人が泳ぐよりも早く海面に向かう謎の人物。
遠ざかっていく大きな魚。
誰なのか知りたいけれど、
眩しいくらいの太陽の光で顔が見えない。
するとだんだん眠くなってきて……
青い空。白い雲。
少し遠くに見える金色の建物。
例えるならそう、砂漠に建っている宮殿。
周りからは人の声が聞こえる。
遊園地や映画館にいるような、あのザワザワとした大勢の人の声。
不意に、ジャックの腕に何かで挟まれたような痛みが走った。
自分で言った「カニ」に驚くジャック。
慌てて飛び起きると、どこからか聞き覚えのある声が。
ははははっ!
聞いたか?今のジャックの言葉!
カニッ!?
いやー
おいジャック、姉ちゃんに会ったら言ってみろよ!
そういうの大好きだからたくさん笑ってくれるはずだぜ!
『ははっ。よせよ。
くすぐったいだろ?ははは!』
「誰なの!?」と慌てて周りを見渡すジャック。
目の前には木でできた海の家のような建物。
すると今度は上から声が聞こえてくる。
あぁ、でっかくてかわいかっただろ?
オレも命を救われたんだよ。あいつらにな。
声のした方向は建物の二階。
太陽が眩しいから、と目を細めてよーく見るジャック。
でもやっぱりよく見えないので、とりあえず感謝を伝える。
へ?
もしかしてオレの顔がよく見えなくて知らない人だと思ったのか?
しょうがない、そっち行くから待ってろよ?
恥ずかしくて照れるジャック。
すると建物の扉がガチャッと開き……
やっと会えた。
ちゃんと生きてた。
信じて良かった。
それが嬉しくて。
筋肉ムキムキの体に抱きついて確かめる。
偽物じゃない、本物なんだって思いたくて。
チョコレート・クライシスの時からずっと会えなかった。
でもやっと、いつものバルバトスさんに……
……かくして、バルバトスのおかげでジャックは無事。
そして、
バルバトス&アルテミア完全復活!
次回。
食べる事が大好きなとある少年の、
歌と踊りで多くの人が賑わうライブ会場。
盛り上がりも最高潮になったその時、闇は再び動き出す。
セクシャルレインボー、
笑顔と感動のファイナルライブ。
次回。
【繋ぐ繋がる異世界ファンタジー】
セクシャルレインボー編。
95話。
セクシャルレインボーに、奇跡が起きる。