天使病

文字数 203文字

 外を歩いていると
 蝶なのか葉っぱなのか
 気ままな風の思いつきのように
 腕をかすめるように触れて
 消え入るように過ぎ去った

 わたしは天使病とでもいうべき
 ひとつの思い込みに罹患しており
 蝶が天使に見え
 木の葉が天使に見え
 鳥が天使に見え
 猫が天使に見え
 街灯の影が天使に見え
 水の波紋が天使に見え
 言葉を通じてしか知らない相手や
 記憶にふと浮かんだだれかが
 天使に思えたりもする

 一瞬の天使
 日々にあまねく
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