思い出すという失敗
文字数 206文字
思い出すたびに傷が広がる
じくじく痛む
なぜヤスリをかけるように傷をいじくらなければならないのか
思い出すという加害
思い出すという暴力
思い出されることを望まない記憶がそのたびに壇上に引きずりあげられる
視線のリンチ
無言の迫害
思い出すという冷たさ
いじめが起きている空間のような無尽蔵の冷気
見放されたという実感
汚水の涙
甘やかな感傷になりそこねた恥辱
思い出すことが下手なわたしの
思い出すという失敗
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