生活のなかに詩はなく

文字数 189文字

 生活のなかに詩はなく
 生活の外に詩があった
 それは哀しいことだった
 どうしようもなく索漠としていた
 起きたときに眺める掌のようには
 言葉は身近なものではなかった
 身体から遊離して掴めなかった
 心臓が心臓のかたちをしていて
 肺が肺として機能するようには
 言葉は実在していなかった
 神は言葉であると言葉によって述べられていた
 鏡がなくなった世界の顔のように
 信じることは孤独だった
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