虐殺についての本

文字数 213文字

 虐殺についての本を読んでいると
 たびたびページをめくる手が止まる
 消化しきれない容赦ない事実が
 ごろごろ転がっているからだ

 虐殺はいつも否定される
 権力側から、権力にすり寄る輩から
 絶対にデマではないと、言いきれる知識や判断力にも自分は欠けているが
 事実に耐えきれないだけなのではないかと
 疑ってしまうのが自分の傾向だ

 ひと息ついて
 死体だらけのページに戻らなければ
 興味本位というよりも
 読むことを切実に必要としているから
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