なんぢの隣の死

文字数 223文字

 なぜだかぼくは自殺が気になって
 夜、ひとり
 それをしようと
 自分しか知らない決断をするその瞬間のこころの寂しさが
 他人事とは思えなくて
 そして自殺というのは
 他人が他人であり
 その隔たりは絶対に埋まらないという残酷な事実を
 だれにも届かなかった痛みという仮定された内的経験の痕跡として
 いつも遅れて知らしめて
 そしてまた
 忘れられる
 おのれの如く、なんぢの隣を愛すべし
 それをやり遂げられる人間は
 ひとりとしていないと
 日々の風化が教えるように
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み