屋根とはなにか

文字数 364文字

 きょうも地に足がついていない
 起きたらすでに浮かんでいる
 屋根があるからかろうじてここにいる
 屋根とはいかなるものであるか
 それは規範や関係や公共性
 と解釈してもらってもかまわない
 わたしの言葉にいかなる意味があるか
 意味を込めなくても意味はある
 無償に隠されたエゴの実存性
 と解釈してもらってもかまわない
 解釈なしでもこの世はまわる
 解釈なしでも死体は見える
 地に足がついていないわたしの重力に対するひとつの可能性
 その試みの虚妄性
 きょう生きることの無意味性
 屋根とはなにか
 なぜそれが頭上にあるのか
 なぜわたしは死なないのか
 死なないということに意味を求めるのか
 それを惰性にもたれきった哀しみ
 と解釈してもらってもかまわない
 わたしの言葉に意味はあるか
 わたしが知らない意味に仮託された
 わたしの知らない意志を知りたい
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