十二月の手紙

文字数 263文字

 ぼくが生まれていなかった十二月
 ぼくが生きている十二月
 ぼくが生きていない十二月
 どう違う

 違わないよ
 きっとね
 大した違いはない
 とるにたりない些細なものさ

 いまはぼくがまだ生きている十二月
 手紙を書こう
 生まれていなかった十二月に
 もう生きていない十二月に

 こちらはなかなかの寒さです
 こちらはそれなりの寂しさです
 そちらはどうですか?
 生まれていないのは寒いですか?
 生きていないのは寂しいですか?
 こちらとそちらの些細な違いがいまのぼくです
 いまの十二月です
 些細な詩を書いています
 些細な言葉の温度を確かめるように
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み