再読天国

文字数 289文字

 再読天国
 同じ本を繰り返し読むのは
 楽しいな
 同じ音楽、同じ演奏を
 繰り返し聴くのと同じように

 再読天国
 再読するために
 再読を期待して
 初めて出会う本を読む
 ある瞬間にこの世に現れた
 記録すべきと信じられた観念
 ある瞬間にこの世に現れた
 音楽の輝かしさと同じように

 再読天国
 人と会うとき
 あなたがいなくなった後
 あなたを思い出すために
 いま、あなたと話しています
 そんなことは普通は言わない
 でも本には
 そう語りかけるように
 触れても許される自由がある

 再読天国
 読まれるべくして読まれる言葉は
 汲めども尽きぬ泉のように
 砂漠の砂よりも多い数だけ
 読まれてもなお清澄に響く
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