楽観的な夜

文字数 208文字

 自分には珍しく
 楽観が押し寄せる
 こんな夜はあまりない
 なにかあったわけでもないのに

 それともなにかあったのだろうか?
 コーヒーがおいしく感じられたとか
 いま読んでいる本が面白いとか
 些細ななにかなら

 そういえば昔
 自分はこの世でもっとも幸福な人間だと
 そんなふうに思ったときがあった
 そんなわけはないのだが

 そんなわけはないのだが
 そう考えても悪くはない
 明日は消えたい夜だとしても
 そう思えたのは嘘ではないから
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