執着の鬼

文字数 195文字

 たまぎるような執着が
 螺旋のように続いている
 終わりの見えないこの執着
 幻を見ているとわかっているのに
 その幻を振り払えない
 ひとりの人間に執着するにも
 限界というものがあるだろうに
 節度というものがあるだろうに
 こころは少しもわきまえたがらない
 おのれが消えても執着は残る
 未練で空間が歪んでいる
 望みない糸へのぶら下がり
 闇のなかで
 出口の幻が手を振っている
 爪の割れている執着の鬼が
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み