無意味だった

文字数 291文字

 きょう一日
 わたしは無駄に過ごした
 ここ数日、と言っても差し支えない
 ここ数ヶ月?
 ここ数年?
 無意味が過去にまで遡行する
 わたしはいつから無意味な時を過ごしているのだろう
 生まれたときは無意味ではなく無力であり、子どものときは無意味ではなく退屈であり、十二のときに無意味になり、とはいえ無意味を思い知らされた瞬間は瞬く間に過ぎてしまって、忘れたふりをして日常は続き、それでも無意味は拡大していき、死とか失望とか失恋とか失敗とか、要するに無意味であり、つまりずっと無意味であり、ここ数年どころの話ではなく無意味だった
 きょう一日、わたしは無駄に過ごして
 ずっとわたしは無意味だった
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