背筋

文字数 178文字

 ナボコフはたしか
 本は頭で読むのではなく
 背筋で読むものだと
 そう言っていた
 背筋に走るぞくぞくするようなあの戦慄を味わえないなら
 読書に意味なんてないのだと

 音楽も
 そんなところがある
 わたしの背筋は
 言葉の流れと音の連鎖に
 どれだけ震えたことだろう
 わたしの生が幸福かはわからないが
 この感覚を知ることができたのは
 たしかな幸福といえるのかもしれない
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