つい踏切に

文字数 364文字

 つい踏切に
 誘われて
 閉まった遮断機
 乗り越えて
 轢かれた若人
 高校生
 きっとそのとき
 考えないな
 自分の死が
 報道されて
 それを読んだ
 赤の他人が
 轢かれるそのとき
 何を考えたか
 余計なお世話な
 想像すること
 関係ないしな
 考えないな
 じゃあどんなこと
 考えたかな
 やっぱりそれは
 気になることだな
 死にたいくらいに
 憂鬱なこと?
 死ぬ前くらい
 関係ないこと?
 死ぬことなんて
 意識してない?
 なんにも考えず
 ただ消えたい?
 つい生きたりは
 できないのかな
 閉まった遮断機
 閉ざされた踏切
 あなたはそこしか
 行く場所がなかったの?
 轢かれて死ぬしか
 道はなかったの?
 だれがそこまで
 追いやるのだろう
 なにがその罪を
 負ってくれるのだろう
 どう考えたら
 そこを出られたのか
 つい考えて
 つい踏切に
 つい死んだり
 つい生きたり
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