窓の向こうのぼくは

文字数 156文字

 窓の向こうのぼくが
 彫刻刀で空気を削って
 即席の神をつくろうとしている
 ぼくは笑う気力もなかった

 窓の向こうのぼくが
 蝙蝠に褒められた右手で
 硝子の言葉をつむいでいる
 ぼくは踏みにじって砕きたかった

 窓の向こうのぼくは
 ぼくにはわからない理由で幸せそうで
 それはぼくにとっての不幸で
 距離は永遠に定まらなかった
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