たった一滴

文字数 197文字

 雨が降っていて
 世界の人口のようにおびただしく滴が降りそそいでいて
 そのなかに
 わたしの求めるたった一滴が
 あるのかもしれない
 わたしの糧
 わたしの渇きを癒すはずの
 たった一滴が
 わたしに知られることなく地上に激突して四散しているのかもしれない
 雨が上がったあとの水たまりに隠れて息を潜めているのかもしれない
 わたしの求めるたった一滴
 その一滴すら
 世界はわたしに与えてくれないのかもしれない
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