わたしという窓が閉ざされて

文字数 203文字

 わたしという窓が閉ざされて
 ひとつの風景が消えるとき
 世界はまだあり
 わたしはいない
 それは惜しむべきことか
 それは哀しむべきことか

 窓は他にいくらでも
 世界はあるかぎりいつまでも
 わたしという窓が
 永遠に閉ざされただけ
 それはことほぐべきことか
 それはよろこぶべきことか

 この風景を
 あなたに返します
 そう言ってから
 窓はだれでもない窓に
 あるべきものはあるべきところに
 去るべきものは去るべきところに
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