悼むとき

文字数 126文字

 悼むとき
 透明になれると
 それはいいことに思えた
 死者には名前があり
 わたしには名前がない
 それはいいことに思えた
 不在の椅子に
 時間の余熱
 それはいいことに思えた
 金のない魂
 羽をちぎらない霊魂
 それはいいことに思えた
 悼むとき
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