息を助ける

文字数 176文字

 どれだけ親しんだ本でも
 それは他者
 他人の書いたもの
 気軽に同化すべきものではない
 それでも本棚を眺めて
 気に入りの本が並んでいると
 わたしにはこれだけの味方がいるんだ
 そんな気がして
 呼吸が楽になることもある
 なにも読む気になれないし読みたいと思える本がない
 そう感じた夜も
 数かぎりなくあったというのに
 本はやはり
 息を助ける
 優しい記憶のように
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