人は死んだら、音楽になる

　人は死んだら、音楽になる
　そんなふうに
　考えてみたり

　人は死んだら、星になる
　よくある話
　どこで触れたかは
　思い出せないけど

　死んだらどうなるか語ることには
　必要性、意図、願望が含まれる
　死んだら音楽になると語ることに
　どんな意義があるというのか

　すべての芸術は音楽に憧れる
　という言葉にちなんで
　すべての生命は音楽に憧れる
　とでも考えているのだろうか
　音楽嫌いが死んだら
　地獄の責め苦そのものになるのか

　人は死んだら、音楽になる
　死者の思い出のひとかけらが
　どこかで聴いた音楽のように
　こころに憑いて離れないから
　そんなふうに
　考えてしまったり