あの退屈
文字数 236文字
きょうは何をして遊ぼう
退屈だな
暇だな
そう思いながらぼんやりとしていただけの真昼時が
なぜあれほど長かったのだろう
空や木の葉や虫を観察しても
なおありあまるほどの時間があって
気だるい退屈は過ぎ去らないまま
日が暮れてさえいなかった
空も木の葉も虫も
地上にはまだ存在しているというのに
永遠のようなあの退屈
あの真昼時
わたしから過ぎ去ってしまったあの感覚
また訪れることもあるのだろうか
たやすく生まれた瞬間まで戻れるような
切なくなるほど鮮やかな
時間の表情
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