底なし沼

文字数 359文字

 底なし沼に
 自分から飛び込んで
 もがけばもがくほど
 どんどん沈んでいく
 ネットで
 よく見る光景
 軽率な言葉をきっかけに

 どんどん沈んでいく
 何人も沈んでいく
 大半のきっかけは
 本人の
 弁解の余地のないような
 口汚い言葉だったりするから
 自業自得といえるのだろう
 弁解の言葉が逆に沈むのを後押しする
 引っ張り上げようとする人も巻き込まれて沈む
 どんどん沈んでいく

 自業自得といえるのだろう
 でもこの光景に
 どれだけ慣れればいいのだろう
 どれだけうんざりすればいいのだろう
 この沼の正体はなんなのだろう
 いちど足を取られると
 二度と這い上がれない
 助けてくれる人はいなくても
 足を掴んで離さない手は
 沼から無数に現れるから

 この底なし沼
 このみみっちい地獄
 言葉なんかおぼえるんじゃなかった
 そんな詩の一節をよく思い出す
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