第153話 子どもの熱・育児のトラウマ②
文字数 917文字
寝入りばな1時間ほどでびっくりしたように飛び起きて、パニック状態になって怯え泣き叫ぶんじゃ。
夢遊病状態で脳が眠ったまま、走ったり歩き回ったりもするんじゃ。
100人に2~3人の割合で起こり、10歳以下の男子に多いという。
風邪薬を飲んで寝ていた子黒猫が起き上がるや否や、カッと目を見開き、文字おこしできない声を上げ、恐怖におののき涙と汗でぐしゃぐしゃになったんじゃ。
わしは子黒猫を抱きしめ、背中をさすることしかできなかった。
子黒猫がぐったり疲れ果てて寝落ちするまで、多分5~10分ほどであったと思うが、心理的な体感時間はゆうに1時間じゃ。
あの時の恐怖を上回るものは無い、きっとこれからも無い。
毎夜の症状が治まるまで、結局1年ほどかかったかのぅ。
子どもが錯乱しているのを目の当たりにするのは、毎晩体験しても慣れないもんじゃ。
魂が削られた。
子黒猫は中学卒業まで、インフルエンザワクチン打っても毎年インフルにかかって高熱出す子で、やっぱりそういうときは異常行動起こすから目が離せなかったんじゃ。
でもだんだんと逞しくなってくるから、夢遊病のごとくウロウロ歩き出すのを抑えるのも大変でのう……
(ログインが必要です)