第104話 『助けてが言えない』編者 松本俊彦先生の文章

文字数 1,729文字

ウサギと海ちゃんはお昼寝タイムのようです。
前回取り上げた本「助けて」が言えない~SOSを出さない人に支援者は何ができるか~』の続きを話してもいい?


この本は『こころの科学』という雑誌の特別企画を書籍化したものらしく。


誰がために医師はいる~クスリとヒトの現代論~』で松本先生の文章にハマった身としては、編者に松本先生の名前があったのでチェックしたんだよね。

松本俊彦医師(精神科医)


佐賀医科大学医学部卒 

国立精神・神経医療研究センター病院/薬物依存症センター センター長併任 

薬物依存症、自傷行為、自殺に関する研究を行っている。

ウザ猫、依存症とかに興味あったの?
いんや。松本先生の文章が読みたいというのが先。依存症にはあんまり関心が無かった。


この本の ”はじめに” を松本先生が執筆されているので、少し写経してもいい?

え? あ? ああ、まあ、どうぞ。

【はじめに】

(略)

 だが、忘れないでほしいのだ。もしもある人の援助希求能力が乏しいとするならば、そこにはそうなるだけの理由がある。その人は、内心、助けを求める気持ちがありつつも、それによって偏見と恥辱的な扱いに曝され、コミュニティから排除され孤立するのを恐れてはいないだろうか。

あるいは、成育歴上の逆境的体験のせいで、「世界は危険と悪意に満ちている」「自分には助けてもらうほどの価値はない」「楽になったり幸せになったりしてはいけない」と思い込んではいないだろうか。


だとすれば、彼らは援助を求めない。こちらから手を差し伸べても、拒絶されるのは当然だ。それどころか、みずから助けを求めておきながら、突然、翻意して背を向けることさえあるだろう。

 そもそも、誰かに助けを求めるという行為は無防備かつ危険であり、時に屈辱的だ。


冒頭に述べた、死にたいくらいつらい現在(いま)を生き延びるために、自傷や過量服薬を行っている子どものことを考えてみるとよい。

一見、彼らはカッターナイフや処方薬・市販薬に単に依存しているようにみえるかもしれないが、実はそうではない。


問題の本質は、カッターナイフや化学物質という「物」にのみ依存し、「人」に依存できないこと、より正確に言えば、安心して「人」に依存できないことにあるのだ。

 こういうと、「人に依存できないのであれば、私に依存しなさい。なんなら共依存でもいい」と申し出る、おせっかいな支援者がいるかもしれないが、それはとんだお門違いだ。


安心して人に依存できない人たちは、「この人、私のことを初めて理解してくれた」と思わず感激するような依存対象と出会った瞬間に、「この人を失望させたくない、嫌われたくない」という不安から「バッド・ニュース」が口にできなくなり、相手が喜びそうな「グッド・ニュース」ばかりを話すようになる。つまり本音が言えなくなるのだ。

 あるいは、「この人も私を裏切ったり、見捨てたり、突然、豹変して怒りだすのではないか」という恐怖から、相手を試し、振り回し、しがみつく。

その結果、疲弊した相手は去ってしまうのだ。


まさに、「石橋を叩いて渡る」ならぬ、「石橋を叩いて壊す」である。

長くなっちゃった。

松本先生の文章って、筋が通っていて潔いし、ボールがバシッと届くし、体温を感じるんだよね。

ウザ猫、こうしてたまには読んだ本の備忘録でも作ってみたら?

年々記憶力の減退が著しいし、どこに何が書いてあったか雲散霧消しちゃうでしょ。


読書感想文はウザ猫には無理だろうから、今回みたいに写経やメモ書きとかにして。

そうだね、コロナ脳をクールダウンさせるためにも、そうしようかな。

そういえば、この前ワクチン4回目打ってきたんだよね、どうだった?
今まで3回ともモデルナで、今回初めてファイザーだった。

腕が痛くなっただけで、肩透かし食らうぐらい副反応少なかったよ。


ワクチン接種してコロナ感染した人は、「ハイブリッド免疫」を獲得しているんでしょ?

今週インフルエンザワクチンも打ったし、今のところ私、最強?

思考力・記憶力は最弱だけどね。


どこかで見たけど、コロナ療養明け1か月経過後とかに、物忘れがひどくなった人がいるらしいよ。

コロナ後遺症のブレインフォグ、時間差できたりして。

兄ちゃん脅かさないでくれよ~
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登場人物紹介

素朴で真面目なウサギ。お昼寝とスイーツが好き。三依市奥雲間村でのんびり暮らしている。

雑談がガイドラインに抵触しないよう、作者からお目付役を頼まれている。


物知りで穏やかな悪魔のお兄さん。

反ワクチン派たちが、預言やら悪魔やら千年王国やらをしきりに口にするため、気になってこちら側に遊びに来た。

山奥の奥雲間村が気に入って滞在中。

海坊主だが、奥雲間村の常世沼(とこよぬま)が気に入って棲息している。

各方面に遠慮無く喋る自由人。

喋っているのは海坊主なので大目に見てください。


町中にあるウサギの実家に住むお嫁ちゃん。

家族の健康を第一に考え、健康食品に傾倒した結果、自然派ママの洗脳を受けてしまう。

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