第34話 猫君のコロナワクチン接種券

文字数 916文字

お母さんがコロナワクチン接種に反対しているという猫君。


猫君は中学3年の受験生。

そんなのママに内緒で打てばいいじゃねーか、猫ボーイ。
猫君、接種券は持っているの?
届いた接種券は、お母さんが破いて捨てたって。
えっ……(絶句)
電話して、再発行してもらえばいいじゃねーか。
再発行をお願いしても、また郵送で届いたら、お母さんに見つかって捨てられてしまうよ。
窓口で接種券再発行してもらえるか、市役所に直接問い合わせてみたら?
はい、そうします。
接種券が手に入ったとしても、15才以下は予診票に保護者のサインが必要だよね。


猫君は今、何才?

15才になったばかりです。
お父さんはどんな感じなの? 協力してもらえそう?
お父さんは、もう2回ワクチン接種しています。

それでお母さんが泣いて喧嘩して。


今は僕のワクチン接種をめぐって喧嘩をしています。

お母さん、お父さんに対して「ワクチンの毒に被爆して具合悪くなるから近づかないで」って言って部屋に引き籠もるので、話し合いにならないけど……

じゃあ、お父さんに同意のサインもらえるね。
はい……


……そうすると今度は、僕がお母さんを泣かせちゃう……

パパはもう、マインドコントロールされている。

コロナなんて無いの。これはコロナ禍ではなくて、ワクチン禍なの。打ってからでは遅いのよ。

……どうしてみんなわかってくれないの。(シクシク)

そんなの仕方ねーよ、泣かせとけ。

(ぶっきらぼう)

海ちゃん、言い方冷たいよ。
だって、猫ボーイの未来のためには仕方ねーだろ。


ママのお気持ち問題より、感染リスクを重く見ろよ。

ここでワクチン打たなかったら、この先行動が制限されるし、ずっと不便な思いするぜ。

のちのち、ママを恨みたくなる日がやってくる、俺にはわかる。

それはそうだけど、猫君は板挟みになっているんだからさ。

猫君の気持ちを考えてあげてよ。

(ハラハラ)(オロオロ)
このことで喧嘩しないでください……
そうだね! 

タコ焼き冷めちゃうから、早く食べよ?

はい!
おお、そうだな、いただくとするか。
ほら、兄ちゃんも!

下界でハマったマヨネーズ、たっぷりかけてあげるから~

食べてあげてもいいけど、そのくらいで機嫌直ったと思わないでね。
はいはい。(めんどくせー)
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登場人物紹介

素朴で真面目なウサギ。お昼寝とスイーツが好き。三依市奥雲間村でのんびり暮らしている。

雑談がガイドラインに抵触しないよう、作者からお目付役を頼まれている。


物知りで穏やかな悪魔のお兄さん。

反ワクチン派たちが、預言やら悪魔やら千年王国やらをしきりに口にするため、気になってこちら側に遊びに来た。

山奥の奥雲間村が気に入って滞在中。

海坊主だが、奥雲間村の常世沼(とこよぬま)が気に入って棲息している。

各方面に遠慮無く喋る自由人。

喋っているのは海坊主なので大目に見てください。


町中にあるウサギの実家に住むお嫁ちゃん。

家族の健康を第一に考え、健康食品に傾倒した結果、自然派ママの洗脳を受けてしまう。

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