第23話 いよいよ本番! 連携はバッチリ

文字数 1,445文字

そして本物のコロナウイルスがやって来た!
緊急事態発生、敵(ウイルス)が侵入。


指名手配書を送るわ。躊躇せずに行きなさい。

よっしゃ! 今度は”ホンモノ”だな、気合い入れて行くぜ!


B細胞、抗体でウイルスを排除しろ!

キラーT細胞は、侵入してしまったウイルスを細胞ごと抹殺だ!

はーい、まかせて!

mRNAワクチンで練習試合しているから、大丈夫、ちゃんとやり方覚えているんだから!


たーくさんの抗体を、くまなく発射、排除しちゃうぞ!

【コロナウイルス】

おっと反撃早いな、ヤベー(オロオロ)

あ、隙間見つけた! 侵入~~

逃がすものか!

私、キラーT細胞があなたたちの攻撃を全部遮断する!!

よし! 連携とれてるぞ、その調子。

本番バッチリ決めたな!

なんだよ、思いっきり対策立てやがって……
へえ~、B細胞とキラーT細胞の2段構えで完璧なんだね。
よくできているよね。
インフルエンザワクチンの仕組みと違うところはあるの?
インフルエンザワクチンの場合、キラーT細胞を誘導できないんだ。


だからインフルエンザワクチンは接種しても感染することが多いんだよ。

mRNAワクチンは、キラーT細胞の働きがキモなのか?
mRNAワクチンは、免疫反応がB細胞だけでなく、キラーT細胞、ヘルパーT細胞でも起きるから、その分強い副反応が起きるってわけ。
ふーん、すごいワクチンなんだね。
でもワクチンは免疫反応を起こすだけ。ウイルス感染の真似事をするだけで、病気は起こさないから安心して。
ヘルパーT細胞はあんま減らないけど、キラーT細胞に関しては高齢になると減ったり老化していくらしいな。


キラーT細胞が老化している分、年寄りの副反応は弱いのかなぁ?

もしかすると、その分、高齢者は重症化するのかもしれないね。

NHK サイエンスZERO『新型コロナ収束のカギ!mRNAワクチンに迫る』より


【石井健教授(東京大学医科学研究所)のお話し要約】


・mRNAワクチン接種を始めてまだ半年、長期にわたって起こる副反応はまだ予測できない状況。


・しかし、動物実験などを含めて「遺伝子が体内に入ってしまう」「ガンになってしまう」などという論文はない


・なのでmRNAワクチンについて、それほど心配する必要はないというのが、多くの研究者の意見である。


・ただ、たくさんの人に打つため一部の人のなかには、ウイルスの真似による炎症反応により、その人がもともと持っている病気を誘導してしまうケースがある。

アナフィラキシー、心筋炎などの素因や家族歴のある方は、気をつけて欲しい。



※今回この番組を参考にさせていただきました。

石井健教授の専門は、ワクチン科学、免疫学だよ。


石井教授の研究室HPを覗いたら、こんなメッセージがあった。


「最も有効なワクチンとは、『正しい情報』のことであり、『正しく怖がる』こと」

「急がば廻れの心意気をもって、いまさらといわれるような基礎研究を続ける」

はぁ~、しごく真っ当だね。
情報が正しいか判断する材料は、石井教授のような専門家の意見と、研究論文だよ。


おかしなことを言う人にソースを聞いてごらん?

再生回数狙いの動画や、ネットのトンデモ医師信者の個人的な意見に行き着くと思うよ。

トンデモ医師達は、医師というより敏腕経営者だもんな!

トンデモ議員も、知名度を上げて存在感を示したくて必死だし。

確かに、新型コロナウイルスについて知りたいとき、街の経営者(トンデモ医師)に話を聞きには行かないね。


専門家以外は、発言に「個人的な意見ですが……」とつけて欲しいとウサギは思うよ。

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登場人物紹介

素朴で真面目なウサギ。お昼寝とスイーツが好き。三依市奥雲間村でのんびり暮らしている。

雑談がガイドラインに抵触しないよう、作者からお目付役を頼まれている。


物知りで穏やかな悪魔のお兄さん。

反ワクチン派たちが、預言やら悪魔やら千年王国やらをしきりに口にするため、気になってこちら側に遊びに来た。

山奥の奥雲間村が気に入って滞在中。

海坊主だが、奥雲間村の常世沼(とこよぬま)が気に入って棲息している。

各方面に遠慮無く喋る自由人。

喋っているのは海坊主なので大目に見てください。


町中にあるウサギの実家に住むお嫁ちゃん。

家族の健康を第一に考え、健康食品に傾倒した結果、自然派ママの洗脳を受けてしまう。

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