第87話 療養中のささいな事など

文字数 1,344文字

黒猫さん、自宅療養中、ご飯はどうしていたの?
最初は喉が痛くて食欲も無くてね、バナナジュースを作ったり、ヨーグルトを流し込んでいた。あと、ゼリー飲料ね。


少し症状が落ちついてきてからは、レトルトお粥に梅干しやシラスなんかを入れて食べたよ。

とにかく喉がネックになるから、 ”ぬるぬる” ”やわやわ” ”低刺激” の食べ物が活躍した。


もずくスープ、お豆腐、青さの味噌汁、ひきわり納豆とネギのお味噌汁、大根とネギのあご出汁スープとか。

大根はお喉にいいらしいね。
うん。でも ”おばあちゃんの知恵” 的なものは、コロナという暴風雨の前では一本の折りたたみ傘のような感覚だったかな……私の場合ね。
コロナ感染したモー娘。の北川莉央ちゃんが、ブログで「自宅療養時にあってよかったもの」として昆布茶、梅昆布茶を紹介していたよ。

昆布が喉にぬめりの膜を作ってくれて飲みやすいんだって。


あとは卵豆腐も、ほぼ飲み物なのでお勧めらしい。

あら、美人さん!
このお姉ちゃん、アイスクリームのクーリッシュにも助けられたみてーだな。革命が起きたってさ。
じゃあ、クーリッシュも冷凍庫に常備しておこう。
そうだな、風呂上がりにうっかり食べちゃいそうだから、たくさん常備しようぜ。
回復した頃にね、ここで一発景気づけにガツンとしてものが食べたいと思い、家にあったニンニク、オイルサーディンの缶詰、トマトでパスタを作ったんだ。

そのとき、ニンニクの香りを感じなくて、あ、これがコロナ後遺症あるあるの嗅覚の衰えか……! と。

ニンニクの香りのしないパスタなんて、さびしいものだねぇ。
私は嗅覚が弱まっただけだからマシなんだよ。

中には変な匂いがするようになった人もいるみたい。


「錯嗅(さくきゅう)」(パロスミア)っていうんですけど。

そいつは、ホラーだな!
(ウザ猫の場合、鼻が詰まっているだけなんじゃないかな)
ウザ猫としては、今回一番ストレス感じたのはなんだった?


人手が足りない時に休んじゃったこと?

ふらっと買い物に行けなかったことじゃねーのか?
やっぱり、コンコンとお咳が止まらなかったことじゃない?
(ウザ猫?)

いやいや、ストレスの第1位はぶっちぎりで「私が職場の誰かにうつしちゃっていたらどうしよう」でした。

他人に感染させるケースの9割が、発症の2日目から発症当日にかけてなんだよ。

実は私、発症前の2日間のうち1日だけ、出勤していてさ……

お、おぅ…………
ドキドキするね……
ウザ猫最大のピンチ。
(ウザ猫って言った?)
感染対策で周囲の人とデスクの間隔空いているしアクリルパネルもあるし、状況から濃厚接触者はいなかったはずなんだけど、心配でたまらなくてさ。


「もしや……私のせいで発症した人がいたら……最悪クラスターになっていたら……」


でも怖くて聞けないわけよ。それに発症まで2~3日かかるし。

療養期間半ばで満を持して、正直に話してくれそうな人にラインして聞いてみました。


私から感染した人はいるのか、また、自宅待機になった人はいるのか、と。

ゴクリ。
どうだった? 
いませんでしたー!


更衣室にも寄らず、あまり喋らず、業務室へダイレクト通勤していてよかった~

ウザ猫独自の省エネ生活パターンが功を奏したね。
兄ちゃん、もしかしてさっきから「ウザ猫」って言っている!?!?
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登場人物紹介

素朴で真面目なウサギ。お昼寝とスイーツが好き。三依市奥雲間村でのんびり暮らしている。

雑談がガイドラインに抵触しないよう、作者からお目付役を頼まれている。


物知りで穏やかな悪魔のお兄さん。

反ワクチン派たちが、預言やら悪魔やら千年王国やらをしきりに口にするため、気になってこちら側に遊びに来た。

山奥の奥雲間村が気に入って滞在中。

海坊主だが、奥雲間村の常世沼(とこよぬま)が気に入って棲息している。

各方面に遠慮無く喋る自由人。

喋っているのは海坊主なので大目に見てください。


町中にあるウサギの実家に住むお嫁ちゃん。

家族の健康を第一に考え、健康食品に傾倒した結果、自然派ママの洗脳を受けてしまう。

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