第56話 『”意識高い系”がハマるニセ医学が危ない』覚え書き

文字数 1,291文字

最近、俺が読んだ本の話をするぜ。


桑満おさむ医師著『意識高い系がハマるニセ医学が危ない』

桑満医師は五本木クリニックの院長でもある。

簡単にわかりやすく。
え? お、ちょっと待って(アワアワ)
ちょっと本を見せて……あ、ここの部分いいじゃない、ここ読んでよ。
兄ちゃんがいないと、ウサギは仕切るな。
ニセ医学にダマされないための七箇条
①「始めると体から毒が排泄されたことを示す身体的変化が現れます」


もしくは、逆に「身体的変化が現れないと、毒がたまっている」などと言われる。

変化(良い変化とは言ってない)があってもなくても、対応可能。

どうとでも言える。

②「これは好転反応です」
でた! ニセ医学伝家の宝刀「好転反応」!!


標準医療を止めさせて、症状が悪化したら、「毒出し(デトックス)している」と良い兆しのように言うんだよね。


悪化すれば「好転反応」で逃げられるし、そのうち良くなればニセ医学の手柄になるという……「負け無し」の好都合システムとのこと。

桑満医師によれば……


ニセ医学の広告やSNSの体験談に登場するのは、ごくごく1部の「治った人だけ」


その背後には、にっちもさっちもいかなくなり、ひっそりと標準医療に戻っていった数多くの人たちがいるそうです。

③不妊に悩む人、妊娠中、育児中の人を狙う
これはニセ医学のトレンド。


「不妊なのは冷えているから」「心が整っていないから」「前世のカルマ」などと人の弱みにつけ込み、怪しい施術や物を売り込む……

まともに取りあってはいけないと、桑満医師は断言しています。

④なんでも治せます。ガンでも治せます。
近藤誠医師(F医師)が提唱しているのが「ガン放置論」。


ガンには本物のガンと、ガンのふりをした”がんもどき”とがあって、”がんもどき”は転移しない、治療の必要が無いという……


この「ガン放置論」を信じたばかりに、手遅れになった患者が数多くいるんだよね。

⑤海外では当たり前。日本は遅れている。
トンデモ医師の決めセリフ。


最凶デルタ株感染爆発後、ここまで感染を収束させた日本は、今や世界のお手本となっているんだから。

海外の真似なんかしたら、あっという間に地獄だよ。

⑥難しい言葉を使ったもっともらしい説明。
エントロピー、量子力学など。

あとは難しくないけど、転写、波動、共鳴、そんなワードが出たら一発アウト。


ついでにホメオパシー、レメディ、EM菌という施術も要注意。

⑦批判に対して攻撃的
ニセ医学の施術者もそのファンも、なぜか攻撃的な人が多いという……
本に出てきた、カッコいい用語も紹介するぜ。
ダニング・クルーガー効果
能力が低い人ほど自分を過大評価するという、認知バイアス。


能力は無いのに自己評価が高く、それを周りに認めさせたいというヒステリックな反ワクチン派は多いよな。

バックファイア効果

人は自分の意見や信念を否定されたり、間違いを指摘されると……

かえって自分の意見に固執してしまう心理がはたらくこと。


反ワクチン派のことじゃん。

実はバックファイア効果を検証したら、その効果は確認されなかったらしい。


でも反ワクチン派の反応を見ると、「バックファイア効果って、ある……」って思うよね。

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登場人物紹介

素朴で真面目なウサギ。お昼寝とスイーツが好き。三依市奥雲間村でのんびり暮らしている。

雑談がガイドラインに抵触しないよう、作者からお目付役を頼まれている。


物知りで穏やかな悪魔のお兄さん。

反ワクチン派たちが、預言やら悪魔やら千年王国やらをしきりに口にするため、気になってこちら側に遊びに来た。

山奥の奥雲間村が気に入って滞在中。

海坊主だが、奥雲間村の常世沼(とこよぬま)が気に入って棲息している。

各方面に遠慮無く喋る自由人。

喋っているのは海坊主なので大目に見てください。


町中にあるウサギの実家に住むお嫁ちゃん。

家族の健康を第一に考え、健康食品に傾倒した結果、自然派ママの洗脳を受けてしまう。

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