第10話 (ガチ勢ではない)反ワクチン派と接触

文字数 1,210文字

初盆で実家に行ってきました。
で、どうだった? 実家に反ワクがいるんでしょ?


反ワク、別名 ”目覚めちゃった人” ”気づいちゃった人” が。

いや~、ガチじゃ無かったから、ホッとしたよ。


センスが良くてお料理上手な、いいお嫁ちゃんなんだよ。

家族の健康を考えたが故に、自然派に足つっこんだみたい。

〈回想シーン〉


帰り間際、居間の隅にお嫁ちゃんを誘導する。

(小声でコソコソ)ね、お嫁ちゃんは反ワクチン派なんだって?
時間が無いためストレートの速球を投げるウサギ。

びっくりするお嫁ちゃん。

あっ、勘弁してください~ワクチン打ちますから~打つことにしましたから~


昨日実家でみんな(自分の両親と兄弟)に囲まれてずーっと説教されたんです~

え? 実家でフルボッコ?
そうですよ~

お前はオカシイ、なに考えているんだ、いい加減にしろ、バカじゃないのか、変わり者……


散々ですよ~洗脳の勢いで~。それで打つことになりました~

(ホッ)大変だったネ
ね、なんでワクチンは危ないの?
無添加食品を扱う友達から聞いたんだけど、ワクチンは自然界にある物質じゃないから、ワクチンのウイルスの毒素がどうしてもあちこちの臓器に付着するって。


その友達が言うには2年後が危ないって。

でも!大丈夫になったんです。


毒を流すようにすればいいって。

(トレンドの)解毒だ!!
そう、解毒!!!


私は野草のお茶と水素水をたくさん飲んで、排出しようと思って。

あ、ウチにも野草のお茶あるよ。
よかった! 今からでもいっぱい飲んで排出した方がいいですよ、絶対!!

帰ったらすぐ飲んでくださいね!

うん、わかった、そうする!(ホッコリ)
典型例を見たような感じだった。
ガチじゃなくてよかったね。
うん。なんかね、こう、本当にきれいな気持ちで真剣に心配してくれるんだよ。


帰ってから野草茶作って飲んじゃった。

優しいんだ。
そう、とても優しかった……。

こうやって広がったんだろうね。

(思い出したように、最初の設定に戻って)


陰謀論通りに進んだ世界線で、ワクチンで人口が間引きされて反ワクだけが生き残ったとしたら、「自然派」のみんなに期待したいな。


「自然派」の中から、100年の恋も冷める的に素面に戻った人が出てきて、世界を立て直して欲しいよ。

人の話が聞けて軌道修正ができる「自然派」は、こうやって ”転ぶ” じゃない。

あ、”転ぶ” ってのは宗教を捨てることね。


大多数は、”転んで” ワクチン打つんじゃないかな。

こうして反ワクもワクチンを打ち出しているというのに、最後まで改宗しないガチ勢って……スゲエな。


反ワクにとってワクチン接種って、なんか『踏み絵』みてー。


教祖様の教えを守り反ワクチン教を貫いて、『踏み絵』(ワクチン)をしないで殉教(感染)する気かな。

しかもその殉教が、俺らも巻き込むから困ったもんだ。

海ちゃん、なんか誤解を招くような言い方。

気をつけて!

だいたいさ、宗教で命落とすのって意味わかんねぇ。

なんでそうなるわけ?

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登場人物紹介

素朴で真面目なウサギ。お昼寝とスイーツが好き。三依市奥雲間村でのんびり暮らしている。

雑談がガイドラインに抵触しないよう、作者からお目付役を頼まれている。


物知りで穏やかな悪魔のお兄さん。

反ワクチン派たちが、預言やら悪魔やら千年王国やらをしきりに口にするため、気になってこちら側に遊びに来た。

山奥の奥雲間村が気に入って滞在中。

海坊主だが、奥雲間村の常世沼(とこよぬま)が気に入って棲息している。

各方面に遠慮無く喋る自由人。

喋っているのは海坊主なので大目に見てください。


町中にあるウサギの実家に住むお嫁ちゃん。

家族の健康を第一に考え、健康食品に傾倒した結果、自然派ママの洗脳を受けてしまう。

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