第27話 和歌山県知事
文字数 1,202文字
(背景:和歌山県は初期に徹底したPCR検査を実施しました)
(前略)でも一度、こうとメディアが決めてしまうと、すべてのメディアがそれを繰り返すのはいかがなものかと思います。
珍しく依頼されて出演したテレビの報道番組で、
「PCR検査をたくさんやったから偉いと褒めていただくのは間違いです。その証拠にPCR検査をたくさんやっている欧米の感染の拡がりは、PCR検査の少ない日本より桁違いに多いのです。」
などと正直に言ってしまったので、テレビ局は二度と呼んでくれなくなりました。
・新型コロナウイルスとの戦いは、実質的に戦争のようなもの。戦争で大事なことは継戦能力である。
・保健所に優秀なスタッフがそろっていても、その人に何でも押しつけていると、そのスタッフが身体を壊したり、意欲を失ったり、精神的にまいってしまい戦力ダウンにつながる。
・保健所の仕事は膨大で、苦情処理や質問に答えたり、感染をシャットアウトするため、直接感染を疑われる人以外も調査する必要があった。
・そのため保健所の機能を考え、コアな部分は保健所の心臓である保健師と看護師、その他の周辺業務はコアの人材から切り離すという分業を初日から行った。
例えば苦情処理は本庁に専用ダイヤルを引いて24時間対応し、周辺地域のヒアリングは振興局や本庁から調査隊を組み、これに当たらせた。
・大都会の保健所の惨状が報道されたが、それを見て人員の拡充や応援、機能分担を考えない行政トップは問題である。
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