1978日前 新人と親睦を深める

文字数 957文字

いい湯だな
はい。さすがは単純泉ですね。
今日は白金台魔道団に新しく入団した平山ヘッドコーチと親睦を深めるために、男二人だけで甲斐の名湯石和温泉に来ている。
夕食も楽しみだな。
甲州名物、ブドウほうとうだそうです。
山梨の地元民は、ほうとうとブドウしか食べないらしい。桃は高級品ですべて東京に送られるそうだ。
なかなかの味だった。ほうとうの具のブドウ、あれがシャインマスカットかな。
あれはデラウェアと言ってましたね。熱々の味噌仕立てで、この盆地でしか経験できない味でした。
……しかし遅いね。もう食べ終わってしまった。
ワインをおかわりして待ちましょう。赤白と別に銀色があります。
おお、幻のワインだ。ネパール国でも飲んだことがない。ぜひ、それにしよう。
シルバーワインですね。少々お待ちを。
部屋から出ていく仲居さんのうしろ姿を平山ヘッドコーチが見送る。
やはり女性は三十代だな。五希君もそう思わないか?
え、まあ、そうですね。
三十路女と深い仲になったことはあるが、十代もしくは巨乳こそが最善だと思う。

だがここは、年長者の意見に合わせよう。

ふふふ。

私たちは二十代ですけどね。

お前たちは誰だ?
お待たせしてごめんなさい。

コンパニオンの山県(やまがた)です。

おなじく高坂(こうさか)です。
おなじくカンスケ・ヤマモトだにゃ。

よろしくにゃんにゃん。

ははは、ぜんぜん待ってないよ。

さあさあ座りなさい。

平山ヘッドコーチの発案で、俺たちはコンパニオンを頼むことになった。しかもヘッドコーチは魔道団の積立金で三人呼ぶことに固執した。

俺はコンパニオンなど初めてだから、年長者の意見に従うことにした。


左から、山県、平山ヘッドコーチ、カンスケ・ヤマモト、俺、高坂の順に座る。

かわいい子ばかりだね。

五希君、スーパーじゃなくていいんだよ。この年になるとスーパーである必要はない。

レベルの高い子にお酒を勧められるだけで充分だ。

でも、新聞紙で遊ぶけどね。

やだー、お客さんエッチなんだから。
俺にはわけがわからない。大人の世界だ。
お待たせしました。シルバーワインです。
おお、きれいなねずみ色だね。

それでは乾杯しようか。

乾杯!

乾杯!
かんぱーい♡
乾杯
乾杯だにゃ。にゃにゃにゃ……
まさかこれが悪夢の夜の始まりとは、俺も平山ヘッドコーチも思いもしなかった。

カンスケ・ヤマモト以外は。

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