5分前 沈む夕日を眺める
文字数 1,578文字
冬はスキー、夏は水遊び
ピヨタン待て。
瞳で殺せなくなったではないか。勝負あったな。
シャチクベルグ……、貴様と初めて会った日のことははっきりと覚えている。忘れた人は第一話を見てね。そのまま読み直して、いいねを押すのも推奨する。
悠長に語っていいのか? クラッシュまでのカウントダウンは止まってないぞ。
貴様はミスを隠ぺいするために、あそこで俺の命を狩ってもよかった。だが俺にチャンスを与えてくれた。それが今日につながり、多くの仲間と出逢えた。ピヨタンとも出逢えた。
敗者を見おろしながら言われてもな。クラッシュを止めたいのだろ、はやくとどめを刺せ!
え! 終わらせなきゃダメだよ。私たちだけではない。人類全員の魂がかかっているんだよ。
俺の手で終わらせない。ピヨタンにも命じない。
シャチクベルグよ立ち去れ。
……ひとつだけ教えておく。猶予を与えたのこそ隠ぺい工作だった。私はちっぽけな人間に情けをかけない。
やっぱりやっつけるぴ。お兄ちゃん命令してったら!!!
俺はへたれだから、自分の手を汚したくないんだよ。……誰かに任せるだけだ。
クラッシュを恐怖に感じるひとつは、自分がいなくなった後もストーリーが続くからだ。そこから追いだされる究極の疎外感のせいだ。思い出は人の心に残るのにな。
早霧とピヨタン、座って日本海に沈む夕日を見よう。ピヨタンは進化を解除しな。抱っこしてやる。
ご主人様に抱かれるなんて初めてだぴー
いつも用が済んだらすぐに戻されたぴー
ははは、ごめんな。お詫びと感謝を込めて、なでなでしてやる。ずうううとだ。
ナデナデ、ナデナデ、ナデナデ
不夜城すなわち歌舞伎町が、異星人と鹿たち、さらには一万五千人の配下に占領されてしまった……
だがまだタイマーは動いている。止まらぬ限り挽回できる。
三浦ダムの水の色が戻っている……。もう私に力を貸すものがないではないか。
なのにタイマーは刻んでいく。もしかしてこれは私のクラッシュまでを刻んでいるのか。そんなはずはない。ならば――
もう夕方じゃないか! 寝すぎた! おかげでパワーがみなぎっている!
貴様は!
狂おしいほどに朝立ちしている俺が相手してやる!
プブンバは俺だ。姉貴、すぐに脱ぐから許してくれ。……終わったってことか。
シャチクベルグが敗れて、彼に倒された者は復活した。そういうことですね。
生き返ったのもリセットされてしまった。だが拙者の魂はすでに身中になかったため、なんだかかんだでこの姿になった。
……抗えぬ力が帳尻を合わせるため、おそらく拙者は生まれ変わることになる。しかし……
ははは
もっとすごいご褒美がもらえたらいいな。
ナデナデ、ナデナデ
(ようやく気づいた。一度消滅したピヨタンは、悪霊のおかげで復活した。でも悪霊が蘇るのならば、ピヨタンに宿った魂は……)
そんなにさすられると眠くなっちゃいます。
寝ちゃうぴ……
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