99日前 水晶玉で充実度を占う
文字数 1,097文字
100日は意外に長い。某ツイッター漫画を95日前から読んでいた俺は、体感で知っている。いよいよと感じるのは、やはり一桁になってからだ。
早霧は昨夜俺の部屋に泊まっていった。悪いことばかりでないし。
この幸せを残り99日で終わらせないようにしないと!
そのために自分の玉をしまい、水晶玉を押入れから出す。
透明な玉の表面に人影が映しだされ、徐々に明確になっていく。
早霧が水晶玉に問う。表面に文字が浮かび上がってくる。
それは、懐中時計に聞いてください。
充電していた懐中時計をはずす。差込口はスマホと同じだった。
画面を何度かタップすると、それらしき数値が現れた。
クラッシュまでの充実度
92%
昨夜の早霧の充実度すなわち満足度が気にかかるが、とりあえず今までの人生よりは充実した余生を送れるらしい。
だが、中身と同じくらい量も大事だ。
表面に人影が映される……。
この兼業悪魔を倒してください。
成功確率は0.02%
残り時間を目減りさせないために、
善行を積む。しかし諸刃の剣。
この女性の手助け。場所は日暮里。
成功確率は51%
俺たちは出かけることにする。じつは水晶玉は40cmもあって、上野から下宿先の千歳烏山まで持ち帰るのに苦労したほどだ。なので懐中時計だけを持っていく。
なにげに画面を見る。
98DAYS
目減りしていた……。
水晶玉に文字が浮かぶ。
魔力なきものが私を使うと、代償に魂を頂きます。
ご利用は無理なく計画的に。
……やはり一筋縄ではいかない。世界征服は棚上げしよう。