ドン・キホーテを継ぐ者―LIE―(2)
文字数 933文字
唯一の男が長い髪をなびかせる。
背後霊の藍を無視して、四天王が横に並ぶ。
男がおのれの長髪をかき上げる。
妖艶な女が足を組み直す。彼女だけは短いスカートで座面の高い椅子に座っていた。
制服姿のツインテールJKが頬を赤らめる。
年齢性別不詳の幼女ぽい何かが無邪気に笑う。
俺の直感が訴えた。
こいつがホッカイドを焼き尽くした。一般人もヒグマもエゾシカもエゾリスもキタキツネもサラブレッドファームも乳牛も熊牧場も他諸々が巻き添えにならなかったのが幸いだ。
だが樹木を燃やしたではないか。この世界だと十日で大樹に育つから、こまめな伐採が推奨されているとしてもだ。
おそらく俺たちは負ける。だけどこいつらを道連れにする。
だから不敵に笑ってやる。
第一試合:桃VSフェロモンミステリアス
第二試合:白VS温情ロングヘアー
第三試合:藍VS違法だけど合法のふりをしたロリの真似
第四試合:青VS刺殺溶解
三人と死霊を代表して俺が説き伏せられる。
刺殺溶解が照れたようにそっぽを向く。……きつい眼差しだけど、この子は笑ったらかわいいだろうな。それを見る機会はないだろうけど。