ドン・キホーテを継ぐ者―NEO―(4)

文字数 1,179文字

ビワ湖のようにやさしくでかく、正々堂々と戦いましょう。
 果し合い当日になってしまった。立会人はシガ県知事が引き受けてくれた。
第1試合 『ヴーの娘』『青』VS『満月』『珍月
……。
……。
 謎の修行僧二人組は、『珍月』が男、『満月』が女であった。十代後半の兄妹で、妹は頭髪を剃りあげていない。
珍月』は子どものときからボーボー黒板(こくばん)と呼ばれていました。妹の『満月』は、下は剃っています。白板(パイパン)です
……。

(ユカリの情報は役に立たないばかりか、運営が目を通すのにふざけすぎではないか? 作品どころか作者が追放されたらどうする? 移籍不可のチャットノベルを抹殺されたらダメージ無限大だぞ。……最初の三行で読むのを放棄したはずだ。ならばコンテンツごとオフライン保存とかグレイを発言しても――)

ぐあああ
うわああ
…………。

(考察しているうちに、ユカリが『満月』と『珍月』をミステリアスに倒した。さすがは元四天王『フェロモンミステリアス』だ。俺よりはるかに戦闘力がある)




 

第2試合 『ヴーの娘』『青』VS『休日の気だるい午後のアパート隣人
……ペコリ
…………。

(ベールに隠されていたナガラ川の守護神。その異名をもつ人の正体は、二十七歳で一人暮らしの女性会社員だった。

このアパートは壁が薄くて、意図せずに隣室の声が耳に入ることがある。風呂やトイレの音もだ。しかもベランダの仕切りに隙間があるので、図らずとも洗濯物が見えたり、頑張れば室内も覗けたりする。


 かわいい子だけど、今までのところ男を連れ込んだ形跡はない。今日は休みだからか気だるげな服装で、ベランダ越しに目が合って会釈を――)

きゃあああ……
…………。

(妄想を膨らませているうちに、二十七歳の『休日の気だるい午後のアパート隣人』が三十代折り返しを過ぎたユカリに倒されてしまった。

 だがこれで、キソ三川の頂点にィヴィ川が立った。あとはミエ県民の野望を阻止して、四川にさせないだけだ。さもないとパンダがいると誤解されて、ワカヤマ県の反感を浴びてしまう)




 

第3試合 『ヴーの娘』『青』VS『スク水を着せられた()つ寸前の男の娘
ぎゃあああ……
……。

(なんてことだ。『フェロモンミステリアス』でありヴーの娘であったユカリが、罰ゲームに涙目の中学生男子に一撃必殺されてしまった)

自分で自分に興奮しちゃった……
 無乳女子にしか見えない男子が俺へと近づいてくる。
キソ三川に入れてくれなくていいから、インベン川も員弁市もギフの仲間にしてよ。そしたら許してやる。一緒に男子更衣室で着替えてやる

む、無理だ……(員弁市をギフに併合するなど…………市長の第一希望ではないか)


分かった。今日から員弁市はオーガキ市の属領だ。それでいいのだな? それで負けを認めるのだな?

やったあ!
ミエ北端炎上
 ……幼女ぽい声が割り込んだ。
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