15分前 五千人の宇宙人に追われる
文字数 1,066文字
撒菱のおかげでここまでは捕まらずに済んだが、俺とミンミンは口うるさい五千人の宇宙人に追われ、町田の住宅街を逃げ惑う。
ちなみに某国出身のくノ一の表記は、冥冥からミンミンに変更した。片仮名だとセミみたいで平仮名のがかわいいが、それだと餃子っぽいと彼女が拒否した。
残り十数分だとしても、一緒に過ごすのは早霧。ともにあがくのは早霧。
でもここから白金台までは遠すぎる。新百合ヶ丘にすらたどり着けない……。
ミンミンの目に涙が浮かんだ。
お店の名刺を手渡しして、某国出身の女忍者が煙幕とともに消える。SNSアドレスはウイチャットぽいが、携帯の番号は日本のものであった……。
スマホを牢屋に置いてきてしまった。しかも、懐中時計もだ!
懐中時計はどうでもいいが、スマホには恥ずかしい履歴が残っている。下手するとダウンロードした画像も。
俺はクラッシュするつもりはない。だとしても、立つ鳥跡を濁さず。
一人になった俺は宇宙人の秘密基地へときびすを返す。
その頃、逃げていた先では。
五千人の宇宙人が町田の住宅街に塹壕を掘り、俺を待ちかまえていた。偶然にも俺は、奴らから逃れられた。
そして知る由もなかったが、秘密基地に残るのは、ボス宇宙人一人だけだった。
こっちだよ。
ここまでピヨタンのサイズ感を伝え忘れていたが、全長2メートルぐらいだ。
なんてことはなく、オカメインコほどしかない。それであの攻撃力……。末恐ろしい悪魔だ。
アテンションプリーズ。
残り10分を切りました。
早霧の胸の谷間から懐中時計が告げた。