UMA探索隊
文字数 1,467文字
三題噺バトルコンテスト! 応募挫折作品
UMAのものらしき足跡を、揖斐川上流で地元の女子高生が発見した。ある富豪が私設探索隊を組み、UMAハンターの俺たちは徳山ダムにベースキャンプを構えてその正体を追うことになった。
夜になり酒癖の悪い長束 隊員に絡まれる。四人は焚き火を囲っている。
UMA探索隊副隊長である俺がクールに答える。
三日月隊長の優しく鋭い眼差しを焚き火が照らす。大垣隊員は目を逸らさない。
俺は好印象を得るために追随する。さりげなく名前で呼んで距離を縮める努力もする。
隊長への返事が俺と重なってしまい、大垣隊員が照れ笑いする。
悠美佳が聞いてくる。彼女は打ち合わせのために俺のテントを尋ねてきた。端麗甘口な顔がランプに照らされる。
二人の距離は充分に縮まったので、わざわざ八重山まで行く必要はなくなった。二人は浴衣生産日本一とネットで記されていた浜松市へと向かう。
やはり浜松浴衣協同組合理事長が難色を示す。
理事長の目が光った。
理事長が微笑んだ。
勝手についてきた長束隊員が独断した。
浴衣造りはゆっくりと進行していく。ヴェーという呼称は好感度が低く、いつしかヴーという呼び方に変わった。
三日月隊長が定年退職し、発見者である地元女子高生と俺がよろしくやっていたことに気づいた大垣隊員が去り、いつしか探索隊は二人だけになってしまった。
二人だけでたき火を囲む夜、長束隊員がぽつり言う。
ヴーが姿を現した。