23時間前 猥談を聞かされる

文字数 1,117文字

僕は高校時代テニス部に所属していた。放課後、ひとつ上の先輩と部室で二人きりになった。いま考えると、あれは先輩が仕組んでいたな。
ふむふむ。
……ピヨタンさあ。
着替えだした僕を先輩は後ろからいきなり抱きしめた。先輩の汗の匂いがした。

『ボーイズラヴァー。華奢な肩だな』先輩は僕を正面に向きなおした。先輩はいきなり舌を入れてきた。

えー?

きゃああ!

ピヨタン……
だめだ。紅潮して淫魔の話に聞き入っている。
……ボーイズラヴァー。初めての体験談はいいから、はやく戦うにゃ。
救いは敵陣営も配下が暴走していること。さきに立ち直らせたものが、この戦いに勝てる。
僕はなぜだか抵抗しなかった。それどころか無意識に、先輩の股間に手を伸ばしてしまった。先輩のそれは激しいまでに怒張していた。
す、すごい。この話をそのまま投稿していいですか?
ピヨタン、朝食の時間だ。そもそもこんな露骨な話を誰が喜ぶ? 冷静になれ。
ボーイズラヴァーもだにゃ。それより先はR18にも収まらないにゃ。
では伏字にします。先輩は僕の○○をやさしく舐めた。そそり立つおのれの○○を露わにした。そして言った。「さあ、これを咥えるんだ」
伏字が意味ないにゃ! 想像力に羽根がなくても想像できるにゃ!
……私には分からない。なにをやさしく舐めて、なにがそそり立っていたのですか?
ピヨタンよ、知らなくていい。君も最初は学園ラブコメを投稿していただろ。

初心に戻れ。さわやかで明るい青春を読ませてほしい。

あれはチャットノベルで書いた。人目をはばかる内容だった。誰一人お気に入りをしてくれなかった。なのにピンポイントに降りそそぐ爆弾のような……
その話はやめておこう。どんなストーリーだったのかだけを、今度は君から僕に聞かせてほしい。
投稿したのはエタったうえに削除した。でもプロット大賞に応募したのならば覚えている。そらで言える。


≪《起》≫

 竹生夢月(たけおゆづき)は、雪積もる地方都市の十五夜市在籍の小学校六年生。容姿はまずまず運動はまあまあ勉強はそこそこの、元気が取り柄の女の子。

 地元の中学に進学の予定だったが、卒業式前日に東京の文武第一中学から合格通知が届く。そこは日本を代表する私立大学の唯一無二の付属中学。文武高校から文武大学へとエリート街道一直線。

 でも私はお受験していない。そもそも申し込んでもいない。

もういい。言い方がきついかもしれないけど、いい年した親父が恥ずかしげもなく応募したような出来栄えだ。名前を使いまわしているし、発想力のなさを自ら晒している。

やっぱり君はBLが似合っている。

しもべめ、いい加減にしろ。
邪魔するな!
にゃっ
朝立ちにゃにゃんが配下の淫魔に足蹴にされた。何が起きているのだ……。
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