2011日前 見送る
文字数 1,150文字
ここまで来れば大丈夫だ。船は信頼できる業者に頼んである。
あなたまで巻き込んでしまった。……正直に話したら、団長は認めてくれたのではないでしょうか?
あの男は甘くない。ああ見えて鉄のごとき信念だ。そうでなければ大悪魔がいつまでも手下でいるものか。
団員同士の恋愛が認められないのならば、一緒に中国奥地まで逃げるしかない。
我々白金台魔道団から逃れることは不可能だ。残念だったな。
お前たちは三つも掟に背いた。ひとつは団員同士の恋愛、ひとつは足抜け、もうひとつは俺に何も相談しなかったことだ。……残念だ。悲しすぎる。
俺に戦って勝てたのならば、どこにでも行くがいい。いでよピヨタン!
ぼ、僕は非情な悪魔です。
よく知った二人でもぼこぼこにしますぴー!
ならば進化せずに戦え。苦しみを引き延ばすようにな。
……。(二人を見てると応仁の頃を思いだすし。強者に翻弄された人々を思いだすし。血がたぎるし……。忘れていたし。私は村を襲おうとした大将に叛旗して、負けて殺されたし。……心で血がたぎるし)
正義の血がたぎるし!
……さすがに三対一では辛いな。ピヨタンよ、引きさがれ。
あなたとの温泉宿の夜は一生忘れない。
再見。さようなら
……拙者と戦わぬために、おふたりをお許しに――違いますな。当初からきっかけを探っておりましたな。……拙者が見つけなどせねば良かったでござるな。見逃せば良かったでございまするな。面目ない。
悪霊の熱い心に打たれただけだ。……お前は悪霊呼ばわりされてきたが、ほんとうは土地の守護霊かもな。それならば、お前が憑りつけばまさに優良物件だ。ははは
……温かい言葉をいただくと未練がなくなるでござる。成仏してしまいまする。
……これで団員は六人か。こじんまりして丁度いいや。
買い物し過ぎたな。帰りの飛行機に全部乗せてもらえるかな。
ほんとうに日本に残るのか。お前ならば心配ないけどな。
用事を済ませたらすぐに帰る。じゃあね。
あのおばさんを倒さないと気が済まない。地獄を見せてやる。
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