ドン・キホーテを継ぐ者―LIE―(4)
文字数 1,313文字
トラックから降りたフェロモンミステリアスが言う。俺たちの眼下には広大なダム湖がひろがっていた。
分かっています。四天王が常に一緒に行動していたのは、幼女ぽい何かを牽制するためでもありました。
……ロングヘアー、ミステリアス、ツンデレ。
三種の神器と呼ばれるキーワードが揃えば、違法だけど合法のふりをしたロリの真似さえも倒せたのです。
もちろん組織はそれを望みません。リーダーの温情ロングヘアーもでした
フェロモンミステリアスが向かいの山へと叫ぶ。
二十メートルはありそうな巨大類人猿が現れる。
巨大類人猿に挨拶されたが……なるほどな、これ以上にミステリアスな存在は滅多にいない。しかも全身を覆う白く長い毛。さらにこいつはツンデレなのか?
それよりもだ。
違う。動揺して聞くことを間違えた。
ヴーが病んだ目で俺を見る。
四天王に襲撃されたけどUMAな母親に助けられて、ミステリアスなお姉さんと山奥でスローライフ始めました。ヒダギュー? ホオバミソ? ギフの飯テロが俺を襲う~~
待たせていたトラックに乗り、ユカリだけが渋々去っていく。
俺と巨大類人猿が取り残される。
ヴーが病んだ目で俺を見つめる。
どこかで鹿が鳴いている。夫に捨てられた巨大類人猿とのキツすぎる一刻。
ユカリが戻ってこないまま夕方になってしまった。
そんな漫画があった気がする。念のため尋ねる。
巨大なヴーが病んだ眼差しで答える。
俺は山道を逃げるように駆け下りる。