1000日前 埼玉県民の来訪を受ける

文字数 788文字

魔道団は人助けを重ね、ついにクラッシュまでが四桁に乗ったある日、

白金台へと俺たちを訪ねてきた人がいた。

比企郡の町役場から来た小川と申します。

皆様のご活躍は埼玉奥深くまで届いております。

同じくにぎやか産出課の草薙です。

よろしくお願いします。

それはそれは、遠いところからようこそ。
比企郡は念願の市町村合併が叶うそうですね。

おめでとうございます。

ありがとうございます。

おっしゃるとおり、再来月から比企郡は比企市となります。

つきましては、その名を全世界に売り込むために町興しをすることになりました。

そこで、白金台魔道団のお知恵とお力を借りられないかと、港区までお邪魔した次第であります……。

しかし、寒くありませんか?

草薙さんはクーラーが苦手なのかカーディガンを羽織ったが、これは難問が飛びこんできたぞ。


俺は早霧とアイコンタクトを交わす。二人の意見が一致した。

私たちは人のためを為す義侠団です。いずれは百八人の魔星が集うかもしれません。

だとしても、この話はとりあえず預からせていただきます。

もちろん前向きに考えてはいます。
分かりました。今日は目黒でサンマ定食を食べて帰ります。
お邪魔しました。
二人は早霧のマンションを出ていく。
ふう。

……あそこには何もないぞ。しかも日本のオーストラリアと呼ばれる東松山市に分断されている。中途半端に集客しても、結局はあっちにコアラとクォッカを見に行く。

でも成功すれば、クラッシュまでの日にちがかなり遠ざかると思う。

水晶玉に聞いてみよう。

クローゼットから久しぶりに水晶玉を取りだす。
比企郡の町興し……。

鍵を握るのは彼ら。

この壺を買えば、どんな悩みも解決しますよ。
約束の期日は昨日だったよな。

お前ら、二度と忘れぬようにかわいがっておけ。

ドツボリーナと町田のエースが浮かびあがった……。


こいつらだけを呼ぶのは危険だ。魔道団全体ミーティングを開催する必要がある。

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