16日前 鶯谷で悪魔を求める

文字数 1,229文字

三十路め!
繊維屋からでると、吉川が広岡に首を絞めあげられていた。
逆恨みするな。あれはお前から炎に飛びこんできたのだろ……。

もう許さぬ。プブンバ、揉んでやれ!

あら、あの時の、男❤

でもブオオオオオ

正義の悪魔の炎が日暮里路上をあぶる。
広岡バリア!
なに?

煉獄炎を弾きかえした。

俺は貴様らに敗れてからエクソシストに弟子入りし、20日に及ぶ厳しい鍛錬を受けてきた。

俺の今のレベルは60だ! 悪魔など端から祓ってやる。

喰らえ、広岡ビーム!

ぐえ!

おのれ、人間の分際で……。

煉獄炎ブースト!

日暮里路上で、両者が拮抗したバトルを繰り広げる。

気づかずに横を歩くお婆ちゃんが心配だが、俺たちはその隙に逃げることにする。

広岡君すごい……。

私たち弟子入り先を間違えたかもね。ウフフ。

はあはあ……。追ってきてないな。

……ここはどこだ?

ここは鶯谷の裏通り。

使役させる悪魔を探すがいい。この辺りには上質な悪魔がいそうな気がする。

偏見ではないぞ。あくまでも根拠なき勘だ。

どうやって探して、手下にするのですか?
お前は魔法陣を描けたな。それが手っ取り早い。静かかつ悪しき場所で呼びだし、あとはたらし込め。

クライアントに「あと3週間だけ待ってください。ウッフン、チラチラ」と言ったりやったりしてしまった。明日がタイムリミットだ。恩に報いるようにしろ。じゃあな。

待て……。瞬間移動で消えやがった。

……悪魔が好むのは静かだけど道徳的でない場所か。そんな所があるかな?

五希君、ここならばたくさんあるわよ❤
早霧が周囲の建物を次から次へと指さす。たしかに……。


俺たちは昼間からホテルで休憩する羽目になる。料金は早霧にだしてもらった。

水晶玉は宅配便でアパートに送ったので、早霧の満足度は確認できない。

一時間後、汗を流した早霧がバスルームに魔法陣を描く。

俺様を呼びだすとは何用だ?
さっそく来た! しかも強そう!
私たちと一緒に日暮里の悪霊を倒してください。
繊維屋の奴か? たやすい。

ならば魂がクラッシュまでの日にちを5000日いただこう。

16日しかない。
諭吉半分なのに~。
強そうな悪魔が消える。

ご休憩を挟みながら、俺たちは何度も悪魔召喚をする。

しかし条件面で折り合わなかった。

さすがにもう延長すべきじゃないと思う。

あと一回でダメならばあきらめよう。

五希君は意外に元気がなかったものね。よほど厳しい鍛錬の日々だったんだ……。

全身全霊をかけて好条件の悪魔を呼びだしてやる!


マドマド、グルグル、マギマギ、キタキタ……

ぼ、僕を呼んだのはお姉ちゃんですか?
…………。

最初に聞く。お前のレベルは?

85だぴー!

しかも今から育ち盛りだぴー!

お前を呼んだのは俺だ。

契約内容だが、千歳烏山のアパートのクローゼットに居住できるでよいか?

な、なんでもいいです。

初めての契約うれしいぴー!

僕の名前はピ・ヨドニメム・タンドゥシニアス。

略してピヨタンと呼んでください。

よろしくお願いします!

俺たちはタイムリミットぎりぎりで配下の悪魔を手に入れた。
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