16日前 早霧とカフェに行く
文字数 1,124文字
翌日大学へ行くと広岡が待ちかまえていた。
広岡が連行される。
悪いが俺には時間がない。お前になど関わっていられない。
俺は早霧の目を見つめる。彼女も見つめ返す。やがて。
そりゃ残り16日ならば必死だよな……。とにかく早霧と話し合って…………何を話し合うのだ?
死神が警備員にへこへこ頭を下げながら去っていく。
その店のランチは千五百円もした。割り勘だろうが、魂より先に所持金がクラッシュした。
下腹部が反応した。
でもそれは、ハッピーエンドの後だ。いや、すぐにでもいい。などと臆面にもださずに。
それは俺がチョイスしたからだけど……、事実を述べるなと魂が訴えた。
彼女が俺を見つめる……。失敗したかも。だけど、早霧は泣きながら微笑む。
心の中ではすでに呼び捨てだったが、俺は至福に包まれる。このまま死んでもいい……。
もちろん生き延びてやる。