2090日前 終わりが始まる

文字数 1,029文字

終末▷▷▷
章タイトルが変わったぞ。俺たちのストーリーは∞ではなかったのか。

それはさておき、成田への途中にわざわざありがとうございます。

残りの人生を二人だけで過ごすわがままを認めてくれたのですから当然です。最後にお礼を述べたかったのです。
ドツボリーナと再び巡りあわせてくれたのは君たちだ。感謝しているよ。
ドツボリーナと平山ヘッドコーチ。それぞれ四回目の再婚相手はきっと最後の伴侶となるだろう。

余生はネパールで過ごすそうだ。

おめでとうございます。お二人のおかげで、白金台魔道団も成長しました。

先輩方がいなくなったとしても、のこりの団員で頑張ります。

魔道団の平均年齢も一気に若返ります。悪霊は死んでいるのでノーカウントなので。

さあ、みんなこころよく送りだそう!

あばよ、婆さん
にょほほ
……。

今日はみんな忙しいようで、お見送りは以上です。傭兵の方々にもよろしくお伝えください。

ふふふ、懐中時計と水晶玉は逆餞別でお譲りします。あなた行きましょう。
さらばだ、ははは……
こうして二人は魔道団を卒業した。
しかし見送りが四名だけとは薄情すぎる。宿のじゃらん評価が3.3まで落ちて挽回に忙しい若女将や、勃興した外国人グループとの抗争に忙しい町田のエースや、どうでもいい魔法少女中島はどうでもいいとして、ボス宇宙人はどうした? ミンミンはどうした? 悪霊同様にいつも暇なプブンバはどうした?
俺はいるだろ。人数が減ったのだから団員を把握しろ。
悪かった。……一名忘れている気がするが、気のせいだろう。
ボス宇宙人は五千人の配下の慰労のために、今日は醍醐寺で花見だし。

ミンミンは三重県伊賀市に文化交流で呼ばれているし。

みんなそれぞれ忙しいんだよ。町田のエースと悪霊が来てくれただけでも感謝しないと。
俺と早霧が一番暇なような気もするが、そんなことはない。魔道団のために常に前線で戦う俺、後ろから支える早霧なだけだ。


空間にホールが開いた。

バイトのシフトをずらせなくて遅れて済まなかった。ドツボリーナたちは?

旅だっただと? 俺は別れを告げてない! 会いに行く!

広岡ワープ!

広岡が成田エクスプレスへと消える。間に合わなければ空港へ、さらに間に合わなければジェット機と追い続けるだろう。さらにはネパールへと……。

もう広岡と会うことはない。そんな予感がした。

で、プブンバはどうしたのだ?

前回も無断欠席だったよな。これは魔道団の鉄の制裁を――

待ってください!
貴様は誰だ?
……。
……こ、こいつはもしかして。
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