第28話 エブリデイ・アット・ザ・バスストップ【4】
文字数 1,093文字
僕は嫌われ者だ。
嫌われ者のこころは、普通は同じ嫌われ者にしかわからない。
僕は僕を理解して貰おうとこの私小説を書いている。
嫌われ者の僕のこころを、理解して貰おうと。
でも、逆効果のようだ。
やっぱり、書くことで嫌われるし、理解しても、僕は多くのひとに否定されるだろう。
例えば、この私小説を、もっと綺麗に書くことも、僕は出来る。
でも、そうはしなかった。
むしろ、ダーティで、穢れていると感じるひとは多いだろうと予測出来る。
演劇部の話は、僕は魔法のiらんどの創生期にケータイ小説として書いていた。
iモード使いの書き手として、高校時代のことを、ちょっとBL風味に書いていた。
だが、今回、リライトするにあたり、昔の原稿も手元に残ってないし、頭の中でもっと大きな物語として再生を目指し構築し、より私小説としてエッヂの効いた書き方をしているつもりだ。
だが、いや、「だから」なのか、私小説を書く者の宿命として、嫌われることを、受け入れなければならないのだ。
チャールズ・ブコウスキーだって、みんなに好かれなかったし、彼はそれを受け入れていたはずだ。
おっと、しみったれた話をしてしまった。
僕は、実は、演劇部のみんなからも、嫌われていた部分があった。
孤立している部分があった。
詳しくはそのうち書くことになるかもしれないが、今は、その話はさらっと流す。
演劇部の面々は、星新一の文庫本を回し読みしていたが、僕にその文庫本が回ってくることはなかった。
通っていた高校の演劇部では唯一、僕は一人だけで、本屋で買った筒井康隆先生の小説を読むことになった。
抱腹絶倒で、かと思えば実験小説やメタフィクションでクールかつダーティに決める、素晴らしい小説の書き手の書いた、唯一無二の〈文学〉が、筒井康隆先生の本だった。
みんなが同じ本を読んで感想を言い合って楽しそうにしているのを横目に、僕はパプリカ嬢に、そしてなにより『家族八景』、『七瀬ふたたび』、『エディプスの恋人』の主人公・火田七瀬ちゃんに、恋をしながら、帰りの駅のホームで筒井作品を読みあさった。
一人きりだと感じるこの、孤独を癒やしてくれるのはいつだって筒井作品だった。
僕の小説は、多分に筒井文体からの影響を受けている。
え?
今回の話はなんだったかって?
ただの愚痴だよ。
日々たくましくなっていく自分が愛おしいわん。
さて。
僕にとってこの私小説が紹介文になるのか、はたまた長い遺書になるのか。
それは僕にもわからないけど、小説の話、項を改めて、書きたいなぁ、と思う。
今回は、前哨戦だ。
じゃ、次、行くぜ?
〈次回へつづく〉
嫌われ者のこころは、普通は同じ嫌われ者にしかわからない。
僕は僕を理解して貰おうとこの私小説を書いている。
嫌われ者の僕のこころを、理解して貰おうと。
でも、逆効果のようだ。
やっぱり、書くことで嫌われるし、理解しても、僕は多くのひとに否定されるだろう。
例えば、この私小説を、もっと綺麗に書くことも、僕は出来る。
でも、そうはしなかった。
むしろ、ダーティで、穢れていると感じるひとは多いだろうと予測出来る。
演劇部の話は、僕は魔法のiらんどの創生期にケータイ小説として書いていた。
iモード使いの書き手として、高校時代のことを、ちょっとBL風味に書いていた。
だが、今回、リライトするにあたり、昔の原稿も手元に残ってないし、頭の中でもっと大きな物語として再生を目指し構築し、より私小説としてエッヂの効いた書き方をしているつもりだ。
だが、いや、「だから」なのか、私小説を書く者の宿命として、嫌われることを、受け入れなければならないのだ。
チャールズ・ブコウスキーだって、みんなに好かれなかったし、彼はそれを受け入れていたはずだ。
おっと、しみったれた話をしてしまった。
僕は、実は、演劇部のみんなからも、嫌われていた部分があった。
孤立している部分があった。
詳しくはそのうち書くことになるかもしれないが、今は、その話はさらっと流す。
演劇部の面々は、星新一の文庫本を回し読みしていたが、僕にその文庫本が回ってくることはなかった。
通っていた高校の演劇部では唯一、僕は一人だけで、本屋で買った筒井康隆先生の小説を読むことになった。
抱腹絶倒で、かと思えば実験小説やメタフィクションでクールかつダーティに決める、素晴らしい小説の書き手の書いた、唯一無二の〈文学〉が、筒井康隆先生の本だった。
みんなが同じ本を読んで感想を言い合って楽しそうにしているのを横目に、僕はパプリカ嬢に、そしてなにより『家族八景』、『七瀬ふたたび』、『エディプスの恋人』の主人公・火田七瀬ちゃんに、恋をしながら、帰りの駅のホームで筒井作品を読みあさった。
一人きりだと感じるこの、孤独を癒やしてくれるのはいつだって筒井作品だった。
僕の小説は、多分に筒井文体からの影響を受けている。
え?
今回の話はなんだったかって?
ただの愚痴だよ。
日々たくましくなっていく自分が愛おしいわん。
さて。
僕にとってこの私小説が紹介文になるのか、はたまた長い遺書になるのか。
それは僕にもわからないけど、小説の話、項を改めて、書きたいなぁ、と思う。
今回は、前哨戦だ。
じゃ、次、行くぜ?
〈次回へつづく〉